三の隣は五号室 (中公文庫 (な74-1))

著者 :
  • 中央公論新社 (2019年12月19日発売)
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本棚登録 : 331
感想 : 25
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とある古アパートの一室の、歴代住人たちの日常を切り取った短編集。

って書くとめちゃくちゃありきたりなんだけど、同じ章の中でも時代が目まぐるしく前後して、歴代住人たちのエピソードが入り組みながら、パズルのピースのように少しずつ展開されていく。
読み味は軽いのに、全体像は緻密に組み立てられているというアンバランスさ。
実はめちゃくちゃテクニカルなことをしてるんじゃないだろうか。長嶋有恐るべし。

大きな謎や事件が起こるわけではないので、そのあたりに話の推進力を求める人には退屈に感じるのも分かる。

ふと他人の家の中が見えてしまった瞬間に、「こんな生活してんのかな〜」なんて、つい考えてしまう自分にはめちゃくちゃ面白く読めた。

たぶん今後も読み返すお気に入りの一冊になりました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年1月23日
読了日 : 2022年10月11日
本棚登録日 : 2022年10月11日

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