とある古アパートの一室の、歴代住人たちの日常を切り取った短編集。
って書くとめちゃくちゃありきたりなんだけど、同じ章の中でも時代が目まぐるしく前後して、歴代住人たちのエピソードが入り組みながら、パズルのピースのように少しずつ展開されていく。
読み味は軽いのに、全体像は緻密に組み立てられているというアンバランスさ。
実はめちゃくちゃテクニカルなことをしてるんじゃないだろうか。長嶋有恐るべし。
大きな謎や事件が起こるわけではないので、そのあたりに話の推進力を求める人には退屈に感じるのも分かる。
ふと他人の家の中が見えてしまった瞬間に、「こんな生活してんのかな〜」なんて、つい考えてしまう自分にはめちゃくちゃ面白く読めた。
たぶん今後も読み返すお気に入りの一冊になりました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年1月23日
- 読了日 : 2022年10月11日
- 本棚登録日 : 2022年10月11日
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