一時期向田邦子の本はたくさん買ったが、今は散り散りになってしまい、どの本にどんな事が書いてあったかもうろ覚えである。古本屋で安いのがあった時に買いなおしている。

豆腐
  ひと月を豆腐に例える、筆者の感性。筆者とは関係無いが、別の人のエッセイで子供が売り物の豆腐を細かく刻んでしまった話を思い出した。あれは誰の作品だったか・・・

寸劇
  客と主人の手土産を巡るやりとりを寸劇に例える。そんな事したことないなあ。このような事をしているご近所さんは、今どんどん減りつつあるような。

助け合い運動
  眼鏡を直すためにもう一つ眼鏡が必要?
  懐中電灯を探すためにはもう一つ懐中電灯が必要?
  警官を捕まえる警官の気持ちは?
  石鹸をきれいにするにはもう一つ石鹸が必要?
  同じもの同士の話四題。

  子供の頃は、物が高価だったこともあってか、同じものは一つしか持ってはいけない、と思い込んでいた。例えば、傘。ハサミ。爪切り。靴。ラジオ。・・・今はどれもたくさんある。
  
傷だらけの茄子
  台風が接近する時に感じる、不思議な心の昂ぶり。
何か日常を離れ、非日常が現れるような気がして、子供の頃著者と同じような昂ぶりを感じていた記憶がある。停電も多かったし、テレビが突然映らなくなり、しばらくお待ちください という文字だけが画面に移ることもよくあった。テレビの深夜番組などほとんど見なかったが、台風接近時だけはNHKの台風情報をつけっ放しで寝ると、何故かいつもよりテレビとの距離が縮まったような気がした事も思い出す。
  雨戸がとても頼もしく思え、雨戸を締めると 安全地帯に逃げ込んだ、という安堵を感じた。今は団地住まいだが、雨戸が無いのでどことなく不安を感じる。

浮気
 雑誌や日常のもの、これはここで買う、というのが人によってなんとなく決まっているのを、何らかの理由で別の店で買ってしまい、その後にいつもの店に行ってしまった時の気持ちを浮気にたとえている。気の重い例として美容院をあげている。私にもなんとなく想像できる。
 日常的に繰り返す小さな浮気が、大きな本ものの浮気を防いでいると言われれば、そんな気もする。

無敵艦隊
 道一杯に広がって歩く主婦の群れ、店で他人とは違う注文(鰻丼を頼んで、鰻は別の皿に乗せてくれ、と注文し 店が躊躇すると激高する)に固執する人、世の中の慣例を理屈で否定(マンションを買って壁の厚みが専有面積に含まれている事に激昂し、壁を壊せと息巻く)する人・・・「こういう人には勝てませんなあ」というタイプを、著者は無敵艦隊に例える。
 私も立ち食いそば屋で 月見そばを頼んで、卵はそばに載せず別の皿に入れてくれ、という人に隣り合わせた事がある。で、皿に乗って出てきた卵を、その人はそばの上に落として食べ始めた。何か呪術的な理由でもあったのだろうか?
 悪意は無いのだろうが、他人に対する気遣いや、習慣、慣例に対する寛容さが決定的に欠損している人が、どんどん増えていくように思う。
 無敵艦隊同士でぶつかって、願わくば相打ちになって沈んで欲しいと思ったりする。

女地図
 女が地図を読めない、描けない話

新聞紙
 著者は新聞を三つに区分する。
 配達され、未読の状態から番組欄を見るため手元に置く「新聞」
 日付が変わって「新聞紙(しんぶんし)」
 さらに三日も過ぎると「新聞紙(しんぶんがみ)」

 今は出番が減ったが、s「しんぶんし」は今で言う包装紙やティッシュの役割を、「しんぶんがみ」は靴の湿り気取りに、活躍した。

 私は新聞のスクラップが趣味で、小学校の頃から途切れ途切れに続けているが、最近は多忙でほとんどできなくなってしまった。習慣は恐ろしいもので...

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2013年2月1日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2013年3月25日]
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