思いやりと優しさに絞殺される社会。
大戦の惨禍への反省から、医療用血中マイクロマシン"WatchMe"により個々人の心身の恒常を保つことで、常に心身のイレギュラーが警告されることで、戦争を抑止する生府社会。
こんな設定を考えた伊藤計劃氏は、本物の天才と思う。
早くに夭折されたのが悔やまれるが、若くして病魔と闘い続けた氏の経歴ならではの本作であろう。
なお、虚淵玄氏の"Psycho-Pass"は、当作の設定をオマージュしている(本人談)。自立思考型の異常思想者(確信犯的犯罪の実行者)から摘出された脳をリンクしたバイオシステム合議で、個々人の"犯罪係数"(心身の犯罪可能性)を測定し、犯罪を抑止するとの設定。
やはり、昨今の近未来SFミステリーに、厚生労働省は欠かせない。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年1月28日
- 読了日 : 2018年1月28日
- 本棚登録日 : 2018年1月28日
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