荒野

  • 文藝春秋 (2008年5月30日発売)
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本棚登録 : 2291
感想 : 395
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荒野とそんなに年は離れていないはずなのに、
なぜか遠い昔を眺めているような気持ちになった。

読みながら、荒野が、どれだけ「女」になることや時間の流れを敏感に感じ取っていたのかに気づき、驚いた。

自分が中学、高校のときは、それこそ未来なんて何も思い描いてなかったし、日々の、自分や周囲の変化にも気がついていなかった。

ずっと無意識に日々を積み重ねて、気がついたら今にたどり着いていた感覚。

だから、荒野がどんどん変化していくのを眺めながら、自分もこうだったんだなぁと思い出していた。
特に、中学のときはクッキリ別れた敵同士だった男女が、高校では溶け合う部分に、そうだったよなぁと共感した。

今を離れて、昔に引き戻してくれる本。
匂いや雰囲気の描写が丁寧で読みやすい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年5月25日
読了日 : 2013年5月25日
本棚登録日 : 2013年5月25日

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