荒野とそんなに年は離れていないはずなのに、
なぜか遠い昔を眺めているような気持ちになった。
読みながら、荒野が、どれだけ「女」になることや時間の流れを敏感に感じ取っていたのかに気づき、驚いた。
自分が中学、高校のときは、それこそ未来なんて何も思い描いてなかったし、日々の、自分や周囲の変化にも気がついていなかった。
ずっと無意識に日々を積み重ねて、気がついたら今にたどり着いていた感覚。
だから、荒野がどんどん変化していくのを眺めながら、自分もこうだったんだなぁと思い出していた。
特に、中学のときはクッキリ別れた敵同士だった男女が、高校では溶け合う部分に、そうだったよなぁと共感した。
今を離れて、昔に引き戻してくれる本。
匂いや雰囲気の描写が丁寧で読みやすい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年5月25日
- 読了日 : 2013年5月25日
- 本棚登録日 : 2013年5月25日
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