ショーの最中に怪我をし、ストリッパーとしての人生を諦めたノリカは、ダンスショーをメインとした店を開くため、故郷札幌のすすきのに戻る。
寡黙なバーテンダーと二人の若いダンサーとともに一から店を作り上げる作業に心地よさを感じ始めていたノリカだが‥。
ダンサーを育てることに新たな喜びを見出していたはずが、ダンサーの成長を見守るうちにある葛藤が生まれる。自分の人生をもう一度見つめ直そうとするノリカ。
さまざまな人間の人生が、ノリカをあるべき場所に導いていく。

2019年9月22日

読書状況 読み終わった [2019年9月22日]
カテゴリ 桜木紫乃

諸田玲子が和泉式部を描く‥‥。
こんな素敵な組み合わせがあろうとは。
学生時代、和歌を専攻し取り分け和泉式部に傾倒した私にはワクワクが止まらない一冊だった。
有名なエピソードはもちろんもらすことなく描かれて、和歌とともに改めてその魅力に触れた。
少し趣きが違っていたのは和泉式部の縁に連なる江侍従が物語の一部の語り手となり、和泉式部の人となりに触れようとさまざま奔走する点だ。
徐々に探偵モノめいてきて、少し興を削がれがちだったのが残念だった。特にラスト(和泉式部の生涯の終わり方を含め)はちょっと奇想天外ではないだろうか。

2019年9月7日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2019年9月7日]
カテゴリ 諸田玲子

上巻に記載

2019年8月25日

読書状況 読み終わった [2019年8月25日]
カテゴリ 吉田修一

結婚して8年。夫の実家の離れに住み、週に一度カルチャースクールの講師を務める。子どもはいない。
桃子は義母に付き合いにくさを感じながらも、夫とその両親とそれなりに上手くやっていると思っていた。
ところがある日夫から思いもかけない告白を聞かされ、桃子の日常は少しずつ歪み始める。
挿入される日記に少し違和感を感じながら読み進めると、途中であっと驚かされる。しまった。私はどこからか読み誤っていたのではないか。
ストーリーもさることながら、自分が何か大きな勘違いをしていたかもしれないという恐怖を感じる。
正気なのは誰なのか。
ラストの呟きがなければ怖いまま終わっていた。

2019年8月25日

読書状況 読み終わった [2019年8月25日]
カテゴリ 吉田修一

両親とは似ても似つかない自分の容姿に気づいて以来、生い立ちに疑問を持ちながら育ったりえ。
その疑問を解くカギが、60を過ぎたある日りえの手元に届いた。
居ても立っても居られず、家族の反対を押し切り謎を追うため函館へと通うりえの前に、そのルーツが少しずつ姿を現わし始める…。
戦争に翻弄されながらもしたたかに自らの愛を追い求めた一人の女性。ときには相手さえもたじろがせるほどの強い愛は一体どこからきたのだろうか。
選択を誤らなければもっと幸せになれたはずなのにと思わずにはいられないが、これが彼女にとって最も幸せな人生だったのかもしれない。

2019年8月23日

読書状況 読み終わった [2019年8月23日]
カテゴリ 谷村志穂

かつての大学アメフト部のチームメイトたちとマネージャー。
マネージャーの1人である理沙子は妻となり、もう1人の美月は数年後男性の姿で哲朗の前に現れた。
美月の告白に対して理沙子は理解を示そうとするが、哲朗は突然のことに戸惑いを隠せなかった…。
性別で人を区別することの意味を問いかけながら、事件は思わぬ登場人物たちを巻き込み、大きく展開していく。
取り憑かれたように謎を追う哲朗にときに無神経さを感じてしまったが、その苛々は結局マイノリティに対する想像力の欠如を図星されているような感覚だったのかもしれない。

2019年8月15日

読書状況 読み終わった [2019年8月15日]
カテゴリ 東野圭吾

一巻に記載

2019年7月27日

読書状況 読み終わった [2019年7月27日]
カテゴリ 山崎豊子

一巻に記載

2019年7月27日

読書状況 読み終わった [2019年7月27日]
カテゴリ 山崎豊子

一巻に記載

2019年7月27日

読書状況 読み終わった [2019年7月27日]
カテゴリ 山崎豊子

日米開戦を境に、アメリカに移住した日系人たちは保護という名のもとに劣悪な環境の強制収容所に収容される。
故郷日本に対する思慕を胸に秘めながらも自らの手で異国の地に生きる環境を切り拓いていった移民一世、アメリカ国籍を持ちアメリカに忠誠を誓う二世。
戦争が長引くにつれて彼らの立場は難しくなっていく。
同じ二世でも、また同じ兄弟でも日本とアメリカに対する思いはそれぞれに異なる。
二つの国の血を引くものとしてどう生きるべきか。
あるものは確固とした答えを持ち、あるものは迷いながらも自分の生きる道を見つけていた。
しかし、敗戦と勝戦を目の当たりにし、二つの祖国に対して誠実であろうとする主人公賢治は、次第に精神の均衡を失っていく。
先の大戦を日系人という視点から捉えた本書を読み、初めて知ることばかりだった。
戦争が引き起こす悲劇の大きさを改めて実感する。

2019年7月27日

読書状況 読み終わった [2019年7月27日]
カテゴリ 山崎豊子

国立大学の附属病院、そこは教授を頂点とした揺るぎないヒエラルキーがそびえ立つ白い巨塔である。
浪速大学の第一外科の助教授財前は、退官間近の東教授を凌ぐ手術の手腕に絶対の自信を持ち、次期教授の座を虎視眈々と狙っていた。
学内にとどまらず系列大学や医師会、同窓会、学術委員など、医師としての責務から遠く離れ権謀渦巻く世界での名誉獲得にのめり込む財前。
その欲望はとどまることを知らず、弱者を相手にした裁判ですら、勝訴への飽くなき野望のために部下たちを駒のように操っていく。
そんな財前を厳しい目で見つめる同期の内科医、里見。
医学、法律といった難解な世界でありながら、目を離せない展開にのめり込ませる筆致はさすが。

2019年6月16日

読書状況 読み終わった [2019年6月16日]
カテゴリ 山崎豊子

1巻に記載

2019年6月16日

読書状況 読み終わった [2019年6月16日]
カテゴリ 山崎豊子

1巻に記載

2019年6月16日

読書状況 読み終わった [2019年6月16日]
カテゴリ 山崎豊子

1巻に記載

2019年6月16日

読書状況 読み終わった [2019年6月16日]
カテゴリ 山崎豊子

1巻に記載

2019年6月16日

読書状況 読み終わった [2019年6月16日]
カテゴリ 山崎豊子

作者自身が「面白いのかな?こんな音楽と演奏だけが延々と続くだけの話」と語ったという本書。
実は私もメディアでこの本が紹介されたときに、そう思ってしまった。
世界的にも注目されるピアノコンクール。その一次予選から本選までを描いた作品と聞き、演奏を文章で表現する?どうやって?しかもこのボリューム…。正直手に取る日が来るとは思わなかった。
ところがいざ読み始めると止まらなくなってしまった。コンテスタントたちの個性、来し方、コンテストの舞台裏、そして何より演奏シーンの疾走感の虜になった。
演奏を映像化することで物語世界が幾層にも広がっている。

2019年5月25日

読書状況 読み終わった [2019年5月25日]

上巻に記載

2019年5月25日

読書状況 読み終わった [2019年5月25日]

絵を描くことを中心にテレビに出たりラジオに出たり、小説も書けば演技もする。旺盛に仕事に勤しむ30歳の阿佐子。
恋愛の方も然りで若い恋人の他にも狙っている男や偶然の出会いでちょっと盛り上がってしまう妻子持ちもいる。
真面目に実直に生きることをモットーにしている人間からしたら顔をしかめずにいられないような阿佐子の日常は、大阪の気質や大阪弁とうまい具合に溶け合ってなんとも粋に描かれている。
そんな面白おかしい日々も少しずつ雲行きが怪しくなってくる。いつまでも気楽に楽しくはいられないのか…。諦念のようなものがうっすらと見え隠れする終盤に、なんだか阿佐子に裏切られたような気がするのが不思議だ。

2019年5月11日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2019年5月11日]
カテゴリ 田辺聖子

仲の良い幼い姉妹。姉は体が弱かったのでいつも家の中で遊び、妹は外で遊びたがった。
あるとき珍しく一緒に外遊びをした姉は、一足先に帰ると言ったまま、行方不明になった…。
意味深な語りは行方不明になったという姉の、成長してからのエピソードに触れる。姉は戻ってきたのか、ならば妹のこの屈託は何なのか。
受け入れると決意した者、受け入れたくないと抗う者、そしてそれを彼らに任せるしかない者。各々の葛藤の中で、特にひかれたのは祖母の手記だ。この家族のすべてをありのままに受け入れ見つめ続けていたように思う。

2019年5月9日

読書状況 読み終わった [2019年5月9日]
カテゴリ 湊かなえ

清朝最後の皇帝にして、関東軍によって満州国の皇帝に祭り上げられた溥儀。その溥儀が唯一心を許していた弟溥傑の政略結婚の相手として白羽の矢が立ったのが著者の嵯峨浩である。
日本の公家の家柄から中国王朝へ。表面上は政略結婚という不本意なかたちであったが、浩は溥傑の人柄に惹かれ、自らが日本と満州の友愛の象徴となるべく、志と希望に満ちた結婚生活をスタートさせる。
しかし戦局が苦しくなるにつれ、溥儀をはじめとした愛新覚羅家の処遇にも暗雲が立ち込め始める…。
一般の開拓団や引き揚げの記録とは違い、日本、とりわけ関東軍が満州国をいかにして作り上げ、そして捨て去ったかがありありと伝わってくる。
苦しい逃避行を終えたのちにも容赦なく襲う悲劇。清朝の不幸な言い伝えが印象に残った。

2019年5月9日

読書状況 読み終わった [2019年5月9日]

平凡な家庭を襲った不可解な幼女誘拐事件。
警察と母親を欺き振り回し身代金を手に入れた犯人は、数日後幼女を解放した…。
娘をさらわれた母親樹奈の苦悩が主題にくるのかと思いきや、物語はピアノ奏者の奈津子の視点で展開していく。
主な登場人物に女性が多いのはなぜか、一貫して樹奈の愚かさに触れられるのはなぜか…。
すべてが明らかになるラストではっとさせられる。

2019年5月2日

読書状況 読み終わった [2019年5月2日]
カテゴリ 海月ルイ

秀吉の家臣、青木勘七の一人娘お梅は、関ヶ原の戦いで青木家が敗者となったために追われる身となる。
「なにがあっても生き延びよ」という父の遺言に従うため縁者を頼って身を隠しながら転々とし、奇しくも敵方家康のもとにたどり着く。
密かに慕う本多正純のためとお梅は家康の側妾になる決意をするが…。
数多いる家康の側妾の中でも決して光の当たる存在ではなかったお梅に凛としたキャラクターを与えた本書。時代小説の醍醐味が味わえる。

2019年4月28日

読書状況 読み終わった [2019年4月28日]
カテゴリ 諸田玲子

一人息子を育てる幸せな日々。
幼稚園で起きた小さな事件も、我が子を信じ、自らの子育てを信じ、乗り切った。
ところがそんな佐都子のもとに思いがけない電話がかかってくる‥。
特別養子縁組の悲喜交々を描いた小説、かと思いきや、物語は視点を変えて思わぬ展開を見せる。
ちょっとした選択の誤りが連なることで人は見事に転落していく。その様をリアルに描いている。
解説ではそこに読者が感情移入していく、と述べていたが、私はまったく共感できなかった。
自己弁護の連続に、むしろ拒絶する思いが大きくなっていった。
感情移入できたなら、ラストにはもっと温かな気持ちになれただろうと思うと残念。

2019年4月6日

読書状況 読み終わった [2019年4月6日]

時は明治。
博徒の大親分として名を馳せた次郎長。老いた今は清水のために働き開港に奔走する。
その養女となったけんは、幼い頃から次郎長と妻おちょうに可愛がられ、船宿末廣のおけんちゃん、波止場のおけんちゃんと呼ばれていた。
長じて養父母譲りの義侠心で清水の人々のために心を砕くけんだが、心の奥深くには忘れがたい恋を抱えていた…。
波止場の活気と喧騒、明治から大正にかけての日本の混乱を背景に、この時代ならではのままならない恋を描く。
憎むべき相手でも憎みきれず手を差し伸べてしまう、手に負えないと分かっていても抱えてしまう、そんなけんを頼って次々と問題を持ち込む人々。
その中で心の拠りどころとなる唯一が恋人の存在であるのに、もう少し欲を出してもいいのでは、とやきもきしてしまった。
とはいえ、史実とフィクションとがうまく絡みあった興味深い一作だ。

2019年3月23日

読書状況 読み終わった [2019年3月23日]
カテゴリ 諸田玲子
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