仕事も恋も失って、東京から函館に戻ってきた李恵。待っていたのは一人で暮らす末期がんの母だった。
故郷であるはずの街に馴染めず、久しぶりの母との生活にも戸惑う李恵に、母は突然姿を消したかつての恋人の存在を告白する。
思いがけない母の話から初めは逃げ出そうとする李恵だが、自身の心が少しずつ前向きになるにしたがって、母の恋人を真剣に探そうという姿勢に変わってくる。二人の心が寄り添うにつれ、次第に見えてくる恋人の行方。決して明るい結果ではないのに二人の物語としては最後はほっと灯が灯るような読後感だった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
谷村志穂
- 感想投稿日 : 2015年5月24日
- 読了日 : 2015年5月24日
- 本棚登録日 : 2015年5月24日
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