ご維新を経て、千吉は新時代を見据えて英語の通詞を目指すことにしたが、目下は叔父の商社の函館支社を任され、英語の勉強は思うように行かない。さらに東京で別れてきたお順がアメリカ人の妻となったことも千吉を打ちのめしていた。
遊び仲間の元大名家の子息や、独学で政府の通詞となった人物、日本に滞在する外国人らなど、千吉を取り巻く多彩な人物や維新直後の風俗が興味深い。将来やお順との恋に対する千吉の焦りも痛いほど伝わってくる。なので、ラストはいい意味で裏切られ、読後感がとても爽やかだった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
宇江佐真理
- 感想投稿日 : 2012年8月14日
- 読了日 : 2010年5月24日
- 本棚登録日 : 2012年3月23日
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