熱烈な求愛により、フランス料理店のコックをしていたゴンちゃんと20歳で結婚した風子。元ガキ大将で負けん気が強く正直者のゴンちゃんとの結婚生活はしかし長くは続かず、自ら家を出た風子だったが…。
愛する人との穏やかな生活のなかにあっても、なお自分を捉えて離さない一人の人。その行為の良し悪しはともかく自分の気持ちにあらがうことなく踏み出してしまえる風子の潔さに惹きつけられる。
連作短編集になっている中で「愛する人に歌いたい」は意外な真相が明かされる一篇だが、最初は誰のことか分からなかった。どちらに非があるとかないとかではなく、結婚は組み合わせの運であることを思い知る。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小手鞠るい
- 感想投稿日 : 2012年8月16日
- 読了日 : 2010年12月21日
- 本棚登録日 : 2012年3月23日
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