主体と客体が入り乱れ、
主観と空想と現実が、
どれも定まらずに定位置に置かれる。
とてつもなく粘ついて臭いのに、
とてつもなく無味無臭な感覚が宿り、
文学なのに視覚的で、
静止画なのに動画の反乱のようだし、
小説なのに舞台のよう。
だから安部公房に惹かれてやまない。
言葉がわかりやすいことと、
内容がわかりやすいこととは同義ではない。
「言葉の壁と 官能の海」
こんなことをさらりと並べてしまえる人はいるか?
突き詰めて、実存の物語。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
安部公房
- 感想投稿日 : 2019年7月26日
- 読了日 : 2019年7月26日
- 本棚登録日 : 2019年7月26日
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