最終目的地 (新潮クレスト・ブックス)

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michy110さん Entertainment   読み終わった 

【Entertainment】最終目的地 / ピータ・キャメロン /20170327/(31/627) <440/73802>

◆きっかけ
?

◆感想
・南米ウルグアイの人里離れた邸宅に暮らす、自殺した作家の妻、作家の愛人と小さな娘、作家の兄とその恋人である青年。ナチスの迫害を逃れてきた先代が、ドイツ風の屋敷をたてたこの場所で、人生を断念したかのように静かな暮らしが営まれていた。そこへ突然、作家の伝記を書こうというアメリカの大学院生がやってくる。思いがけない波紋が生じていく。。。
・以前一度は図書館から借りた本だが、あまりの分厚さ(440p)に断念した経緯あり。今回、改めて借りたのは少しまとまった時間(連休)が確保でき、かつ他に借りている本等で急ぎ読了すべき本ががなかったからという、この種の分厚い本にはベストのタイミングだった。
・ボリュームの割にはあまり重量感がなかったような、スムーズに頭に入り込み、イメージが湧くことのできた訳のおかげか。過去、
「極北 / マーセル・セロー (村上春樹 翻訳) / 2012.7.17<R>」や、「【Entertainment】海を照らす光/MLステッドマン / 20150629(65/349)<462/14744><R>」に比べると、重くはない。
・6人それぞれの心の機微というか、細かな気持ちが、最初はわずかながら、やがて大きく変化していく様はスリリングですらあり、知らず知らずのうちに引き込まれていった。
・この本ではおそらく最終目的地はウルグアイのオチョス・リオスを暗に示しているのだろう。また、この人里離れた邸宅に暮らす彼らにとって、精神的なもの、人生そのものも含めて最終目的地なのだろう。しかし、冒頭にあった言葉通り、不幸は長く続かない、これは不幸に限らず、幸せも含めて今の状態が、ということなのだろうと思う。そして実際、各々は自らの人生に決断を下していく。キャロラインはNYへ、オマーもカンザスからウルグアイの邸宅にやってくるし、何よりディアドラを捨てて、アーデンと結婚すること自体が、この話を物語っているだろう。その意味でとても考えさせられる話だった。
・読後、ウルグアイの綺麗な風景見たさに、映画化を期待していたところ、実際に映画化されており、しかも2012年にロードショーされていたとは知らなかった。アダムはアンソニー・ホプキンスが適役かなと勝手に想像していたら、まさにその配役だったのには驚いた。いずれ映画も見たい。

◆引用
・われわが不幸なのは、不幸がどのような終わり方をするか知らないからだ。だが、じつは、われわれが真にわかってないのは、不幸はいつまでも続きはしないということだ。なぜなら、同じ状況が続くことさえ、いずれは気分の変化をもたらすからだ。同じ理由から、幸福もいつまでも続きはしない。ウィリアム・ジャーハーディ(必滅の愛について)
・ここが最終目的地だと思っていても、いつまだ新しい旅がはじまるかもしれない。だれでも、いくつになっても、新たな目的地が見つかる可能性は常にある。かたくなな心を開いてその可能性に飛び込むのは、生きることを楽しむのと同義だーそんな希望と祝福に満ちたメッセージがこの題名には隠されているように思えます。
・どんな時だって、シャンパンが失敗なんてことは無いのよ

レビュー投稿日
2017年3月31日
読了日
2017年3月27日
本棚登録日
2014年11月13日
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