ネイビーシールズ 特殊作戦に捧げた人生

  • 早川書房 (2021年10月19日発売)
本で見る
3.50
  • (2)
  • (6)
  • (7)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 110
感想 : 10

【Entertainment】 ネイビーシールズ/ ウィリアム・H・マウレイヴン / 202200423 /20/939/<428/166346>
◆きっかけ
・日経書評

◆感想
・フセイン捕獲、ビンラディン殺害、ソマリア海賊事件への対応等、あの国際的大事件に対して極秘作戦を責任者として関与していた人物。
・それらそれぞれがまるでハリウッド映画(実際上記3つ目は映画化されているが)を見ているようで、手に汗を握る、あっという間に読了。
・それにしても、入念な計画と準備、組織内での命令と実行、その中での助け合い、チームワーク、事後のレビュー、等々、カイシャとあまり変わらない気もする。その仕事の対象が、戦争であるということを除いて。

◆引用
・お母さん、いいかしら?ときいているひまはない。条件を最適化しておく必要がある。
・SEALたちを信頼するほかに私にできることはなかった。
・MOVIE、キャプテン・フィリップス
・特殊作戦部隊は、単純な計画と入念な隠蔽と頻繁な予行練習を組み合わせ、明確な目的をもって迅速に奇襲を行うことで、敵に対して相対的な優位を確立できる。
・緊急事態に予備計画を用意し、その予備計画にも予備を用意した。
・人生はいたって単純。できるだけ数多くの人に力を貸す。できるだけ多くの友人をこしらえる。精一杯働く、そしてなにがあろうと絶対にやめない。

===qte===
ネイビーシールズ ウィリアム・H・マクレイヴン著
米特殊作戦をトップが回顧
2022/1/29 2:00日本経済新聞 電子版
世界最強の米軍でも特殊作戦部隊は別格の存在である。隊員は知力、体力、精神力において厳しい選抜を経て選ばれ、常人には思いも及ばない過酷な任務に派遣される。それゆえ、特殊作戦部隊の華々しい活躍がニュースを飾り、その出身者が映画や小説の主人公として取り上げられることも少なくない。

原題=SEA STORIES(伏見威蕃訳、早川書房・3410円)
▼著者は55年米テキサス州生まれ。特殊作戦コマンド司令官などを歴任。最終階級は海軍大将。
※書籍の価格は税込みで表記しています
原題=SEA STORIES(伏見威蕃訳、早川書房・3410円)
▼著者は55年米テキサス州生まれ。特殊作戦コマンド司令官などを歴任。最終階級は海軍大将。
※書籍の価格は税込みで表記しています

だが、その活動の多くは秘密のベールに包まれており、一部の部隊については存在すら政府が認めていない場合もある。だからこそ、その実態を知るには元隊員の手記や回顧録が手掛かりとなる。

その中でも本書は、米軍の特殊作戦部隊のトップに上り詰めた軍人の半生記であり、類書とは一線を画している。著者は米海軍で急襲作戦や破壊工作などを行う「シールズ」の一員として長く活躍し、訓練で重傷を負いながらも軍務を全うした。

本書で明らかになるのは、著者が世界各地で重要な任務に関わってきたことである。フィリピンではイスラム過激派からの人質奪還作戦を立案し、イラク戦争後に潜伏していたフセイン大統領の捕縛作戦にも深く関与している。

さらには、ソマリアの海賊に捕らわれていたアメリカ人船長を海上で救出する作戦でも手腕を発揮した。いずれも、わずかなミスでも人質や隊員に危害が及ぶ紙一重の任務であった。

その最たるものが、2001年の米同時多発テロ事件の首謀者である、ウサマ・ビンラディンに対する急襲作戦であろう。米国にとって彼の捕捉は最重要目標であったが、長らくその行方は知れなかった。ついにパキスタンにいることが判明すると、その拘束・殺害を目指してあらゆる事態を想定した綿密な計画が立てられた。

だが、現実の作戦では特殊作戦部隊を運ぶヘリコプターが不時着するなど、予期せぬトラブルもあった。それでもビンラディンの殺害に成功すると、オバマ大統領はすぐさまテレビで全米にその成果を公表したのである。

本書が赤裸々に描くのは、生死を分ける高度な判断が必要な任務は、特殊な訓練を受けた生身の人間にしか委ねられないという事実である。軍事分野におけるドローンや人工知能の重要性は高まるものの、その事実は当面の間変わらないであろうことを思い知らされる。

《評》防衛研究所社会・経済研究室長 塚本 勝也

ネイビーシールズ:特殊作戦に捧げた人生
著者 : ウィリアム・H・マクレイヴン
出版 : 早川書房
価格 : 3,410円(税込み)
この書籍を購入する(ヘルプ): Amazon 楽天ブックス
===unqte===

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: Entertainment
感想投稿日 : 2022年5月15日
読了日 : 2022年4月23日
本棚登録日 : 2022年5月15日

みんなの感想をみる

ツイートする