新版 劔岳 点の記

  • 文藝春秋 (2009年3月27日発売)
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劔岳 点の記
新田次郎(原作)、山本甲士(文)

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登山をするわけでもないんだけど、山岳小説が好きです。

新田次郎さんの小説を読みやすく書かれたものとあって、すごく読みやすかった。でも読み直すなら新田次郎さんの本でチャレンジしたい。

今となっては空からも色々測れてしまうんだろうなと、なんだか寂しくなってしまうのだけど、自分の足で行って測量するってことは、前人未到だろうが行かなきゃ測れないという、命をかける仕事って多かったんだろうなと思う。

柴崎さんももちろんすごいけど、やっぱり長次郎の案内無しでは絶対辿り着け無かっただろうな。途中、危うく先に頂上に着きそうだった。
とはいえ、山の天気は変わりやすく、何度も登っては降りを繰り返す登山っていうのは、体力だけじゃなく根気もいる。

ついつい頭で装備を今風に思い浮かべそうになってしまうけど、約120年前なので、嵐のときに寒さをしのぐものすら瑣末な感じ。
機材も相当重いものだったろうし、自分たちで背負い運んで、測量しなければならないというのは、ただの登山ではない。

軍の上司とか県庁のお偉方とか嫌な人も出てくるけど、誰が何を言おうと劔岳と同じようにそんなこと屁とも思わず、自分たちのやることを淡々とこなすだけの後半が、頂上登ってきた人の余裕かもしれないと思った。

こういう人知を超えたことをする人たちって、体力、気力、忍耐力の他に、生命力とか運も持ってる人なんだろうなと思う。

2025/04/03 読了

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2025年4月3日
読了日 : 2025年4月3日
本棚登録日 : 2025年4月3日

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