闇の左手 (ハヤカワ文庫 SF (252))

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本棚登録 : 1208
レビュー : 140
制作 : Ursula K. Le Guin  小尾 芙佐 
ダイコン読者さん  未設定  読み終わった 

『ゲド戦記』原作者、SFの女王ル・グィンによる超大作。

――惑星ゲセンの人々は、みな男であり女でもある。雌雄同体で、月に数日だけ「女」または「男」に変容する人間たち。
そして地球人の男性であるゲンリー・アイは、「宇宙連合」の使節として惑星ゲセンに降り立つが――

(↓ここからネタバレというか、愚痴?)

読了後すごく引き摺りますね……
うん、フラグは立ってたんだよ……うん……
アイが「《彼》の日記の中身」について「このときはまだ知らなかったのだが」とか言うシーンでああ死亡フラグ……と思ったけど!!でも!!!
セレム―――(愛称)!!!orz

セレム(愛称)は最初から誠実な人だったのに、主人公があまりにも靡かないから逆に、「ああ、そういう仲になるんだろうな、この二人。」と思っておりました。SFの異「星」間交流ではよくある、男女が反駁しあった末に恋に落ちる展開かと。
結局はプラトニックだったことにビックリしたくらいで……(そこで押し倒さないのかいゲンリー・アイ? と思ってしまったよ。俗物と呼ぶがいい。)

あああああああああ泣いて良いですか!?
うっかりフラグ立ってたせいで泣けなかったんだけど!心の準備しない方が良かった!怒涛のように泣きたかったわ!!
うわーん好きキャラが死ぬ展開にはそろそろ慣れてきたと思ったのにー思ったのにー

……さて、気を取り直して語ると、ル・グィンの、物の見方の鋭利さには脱帽しました。女の手で「強姦したいと思う男性的欲求」とは書けても、「強姦されたいという女性的欲求」とはなかなか書けない。冷静でいて鋭利な目で、人の心理・風俗を眺めてきた人間の筆だなと。
こういう方に両性具有を書かせると説得力がありますね。変にいやらしく偏らず、かといって性的な魅力を欠いている訳ではない。リアルな「個人」として美しく醜くある両性の人。

「私もゲセンに行きたい」と感じた人は私だけではあるまい。
まあ、極寒ですがね。

レビュー投稿日
2012年10月21日
読了日
2012年10月21日
本棚登録日
2012年10月21日
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