リーチ先生

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レビュー : 127
著者 :
ちゃいろいさん 好奇心が満たされる   読み終わった 

英国人でありながら日本の民藝運動に深くかかわった陶芸家のバーナード・リーチをめぐる物語だ。

昭和の小鹿田の里に、有名な英国人陶芸家がやってくる、というところから物語は始まる。
若いからと彼の世話係を任命された高市は、偶然にもリーチと自分の亡き父との因縁を知るのだった。

そこから物語は大きく過去へと飛び、天涯孤独ながらまっすぐに生きる少年、沖亀乃介が高村光太郎と出会う明治末期へと移る。

バーナード・リーチのほかに、高村光雲、高村光太郎、富本憲吉、柳宗悦、濱田庄司、河合寛次郎、武者小路実篤に志賀直哉といったあまりにも有名な人物がどんどん出てきて、西洋の美と東洋の美を繋ごうと芸術運動の高まりがとても魅力的に描かれている。
遠い存在と思っていた過去の偉大な芸術家たちが、若く、生き生きと動き回っていて、読んでいてわくわくと楽しかった。

陶芸や手仕事というものが好きなので、リーチが民藝運動に大きくかかわっていたことは知っていたが、そもそも日本で陶芸に出会い、日本で窯を立ち上げていたことは全然知らなくて、非常に興味深かった。

主人公の亀乃介の一途さも初々しく、この物語を清々しく彩っている。
あまりにも生き生きとしてさまざまな芸術家たちと関わっているのだから実在の人物かと思いきや、そうではないらしい。ここが小説、さすが原田マハのフィクションだなぁ。彼と彼の息子は誰かモデルがいるのかと思ったが、それもわからなかった。
異国がまだ夢のように遠く、異文化が遥かに不可思議だった世界で、こうやって前向きにひたむきに生きる人たちがいた「時代」がモデルと言えるのかもしれない。

レビュー投稿日
2017年3月15日
読了日
2017年3月15日
本棚登録日
2017年3月15日
4
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