アルゼンチンまでもぐりたい

  • 文藝春秋 (1994年1月1日発売)
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感想 : 2
3

ピアニスト中村紘子のエッセイ集。
といっても、日本のピアニストのパイオニア的な存在であった著者のことを私はよく知らない。夫が庄司薫であると途中でわかってぎょっとしたくらいだ。
1990年頃に書かれたものが多いうえに若かりし頃の回想が挟まれるものだから、国際問題や音楽業界の話題に時代を感じる。
日本人がイエローモンキーと嘲られる中、いかに西洋音楽の世界に東洋人として切り込んでいくことが内外ともに難しかったかと感心する。
そんな厳しい状況をあっけらかんと振り返る明るさや、クラシックへの深い愛情がじんわりと伝わってきて、なんかいいなぁ、という気分になる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 好奇心が満たされる
感想投稿日 : 2009年8月24日
読了日 : 2009年8月24日
本棚登録日 : 2009年8月24日

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