デートクレンズ、とは、デートとデートの間に時間を取って、無駄なデートに振り回されないこと。
「デートクレンジング」というアイドルグループの敏腕マネージャーを務めてきた実花と、夫の母親がやっている喫茶店で働きながら妊活をしている佐知子は学生時代からの友人同士で、35歳になる。
もう年齢にあとがない、と急に婚活に邁進し始め「デートクレンズ」の期間もおかずに情緒不安定に暴走する実花に、既婚者である佐知子は違和感を隠しきれない。
独身者と既婚者、子どものいる者といない者、立場の違う者同士で女の友情は成立するのか、否か。そもそも結婚して子供を産むことが本当に幸せなのか。
トウの立った「女子」たちの友情の行方を描いた物語だ。
卒業、就職、結婚、出産、さまざまなフェーズで人間関係は変化するし、「負け犬」という言葉が流行語になったようにどこかで優劣がつく。
そんな世相にひそやかに対抗しようとする佐知子の奮闘ぶりは時に滑稽で、だけれど本当に失いたくない友人というのは漫然と関係を続けているだけでは持続しないのだという真理をついている。
自分にこんな友人はいないけれども、女友達っていいよねえ、と言いたくなる物語だ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
平板なかんじ
- 感想投稿日 : 2018年7月29日
- 読了日 : 2018年7月29日
- 本棚登録日 : 2018年7月29日
みんなの感想をみる