今年は太宰治の生誕100周年にあたるらしい。
そのせいか、あちこちで太宰治に関したイベントやキャンペーンを見かける。
本作も、その一環に当たるエッセイ集だ。
名だたる作家、コラムニスト、女優、と、さまざまな分野の<女性>が太宰(と、その作品)について語っている。制約はあまりないのか、語られ論じられる内容はさまざまで、それぞれが結ぶ太宰像はすれ違っていて、こうまで見方が変わるものかと興味深い。
太宰治は、文学っぽいもの、に触れたかった高校生の頃に何作か読んだはずだが、<なんか変な呪文を唱える男たちばかりがいるわけがわからなくてやけに笑える文学っぽくない話>くらいしか記憶に残っていない。(その話の題名すらわからない)
本作に寄稿している女性たちの何人もが同年齢で太宰に触れ、何がしかの感情を抱いたのとは大違いで情けない。
その情けなさもあって、太宰治作品をいくつか読んでみたくなったから、筑摩書房の思惑は大当たりかも。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
好奇心が満たされる
- 感想投稿日 : 2009年6月12日
- 読了日 : 2009年6月12日
- 本棚登録日 : 2009年6月12日
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