極北へ

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本棚登録 : 114
レビュー : 14
著者 :
ちゃいろいさん 好奇心が満たされる   読み終わった 

写真家で冒険家である石川直樹氏が20歳で気象観測機器設置登山隊に参加してデナリ(アラスカにある雪山)に登頂した経験から、2016年に単独でデナリに再度挑み登頂を果たすまでの自身の極北とのつきあいについて語った一冊だ。

他の著書で読んだことがある話も混じっているはずだが、シンプルにまとめられたひとつひとつのエピソードは興味深く、楽しく読んだ。

極北では「積極的に生きようとしなければ生きられない」というくだりが印象的だった。生きることに対してずっと意識的で能動的でなければいけない世界。

また、長年小さな島に暮らす老人が新たに大昔の壁画を発見しその場に案内してくれたエピソードでは、ほとんど何が描いてあるか石川氏にはわからない岩を「な、見えるだろ?」と指し示す、というところが印象的だった。
永くその土地に暮らしたものだけが差異を見分ける、その神秘ともいえる力について思う。

日本の、些細な不満はあっても快適なインフラが整った社会でルールに守られながら暮らす自分の想像も及ばない世界が、同時代に繋がり広がっているということを改めて思う。

レビュー投稿日
2018年7月29日
読了日
2018年7月29日
本棚登録日
2018年7月29日
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