功徳、というのは仏教の用語でよい果報を得られるような善行のことを指す。本書では、その善行の報いが自分に戻ってくることを功徳、としているようだ。
タイトルの無功徳とは、禅語で「功徳なし」という意味で、かつて仏法の興隆発展に尽力したことを言い募った中国の皇帝に対して達磨大師が言い放った言葉である。ようは、どれだけ善行を積もうとも、それを自ら言い出すようでは功徳はない、ということらしい。
本書は住職であり小説家でもある著者のエッセイ集だが、内容は説法のようなもの。
社会に出てしばらく経ち、説諭を受ける機会のない自分には、感ずるところもあればあまりの正論ぶりに反発するところもあった。
仏教に則った説話とは成り立つ位置が正反対だけど、どこかビジネスの啓蒙本にも似ている。
読書状況:読み終わった
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なにか考えたくなる
- 感想投稿日 : 2009年12月1日
- 読了日 : 2009年12月1日
- 本棚登録日 : 2009年12月1日
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