Hoot

  • Yearling (2005年12月27日発売)
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「HOLES」があまりに楽しく、夢中になって読んだので、あのわくわくをもう一度!と思って、似たような対象年齢のこの本を買ってみた。
おもしろくないわけじゃなかったのだけど、途中でほんの少し物語が停滞するので飽きてしまい、しばらく放置していました。
先日、ふと気が向いて、この物語に出てくるアナホリフクロウの動画を検索してみたら・・・・なんというキュートさよ!! 顔はまじめくさってるのに動きがチョコマカしていて、足で土を蹴って穴を拡げている姿などはとんでもなくかわいい。
そして、ついでに映画版のTrailerを見たら、Mullet Fingersを演じている男の子が、これまたビックリするくらいの美少年で、目に星が入っててキラキラしている。(目に星が入っている人を見たのは若い頃のトム・クルーズ以来…)
読んでいる印象ではMullet Fingersはもうちょっとワイルドなイメージだったけど、まあ、とりあえず急に読むのを再開する気になり、最後の方はイッキ読み。

きちんと機能している家庭で愛情たっぷりに育つ子供がどんなに幸せか、ということが非常にリアルに描かれていて興味深かった。ビアトリスは泣き言めいたことは一言も言わない強い女の子だけど、彼女の生活環境は読んでいてけっこう辛かった。
その一方で、ロイの父親の子供への手の差し伸べ方は、子どもにとっては理想的だな、と思う。今のロイを作ったのは確実にご両親の愛情だということが感じられるエピソードがちょこちょことあって、ロイもそれを理解していて、ちゃんと相思相愛なのがなかなか新鮮でした。(世の中には親子の分断の物語の方が圧倒的に多いのでこのパターンは珍しい)

難点を言えば、いじめっこのデイナに対しては、ちょっとやりすぎじゃないかな。デイナへの仕打ちのせいで、かなり後味が悪くなっている。Mullet Fingers の印象も損なっていて良くない。

どうでもいいけど、日本語版では、Mullet Fingers という名前をどういう風に訳したんだろう、とすごく気になった。「ボラ指」じゃあんまりだしなぁ、でも、語感的にはあのマレットヘアを一瞬連想するから(=基本的には全世界的に「最悪な髪型」と認識されている)、日本語のボラっていう響きもあながち的外れではないかもしれない、なんて思いつつ、ネットで調べたのだけど、なかなか出てこなくて参った!
1時間くらい検索してしまった。
ブログの感想や本の紹介はいっぱい出てくるのだけど、だいたいが「謎の少年」としか書いてない。わざわざ本名の方で呼んでいる人もいて、なんだか不思議だった。英語日本語に限らず、Mullet Fingers という彼の仮の名前は読んでいてあまりしっくりこないのは事実だから、そのせいかとも思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(海外)
感想投稿日 : 2018年7月27日
読了日 : 2018年7月27日
本棚登録日 : 2018年7月27日

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