冒頭に引用した歌に対して、吹き矢がどうとかという著者の加えた修正がひどい改悪で、元のままの方がはるかに良かったので、かなり懐疑的な気持ちで読み始めました。
でも、疑問に思ったのはそこくらいで、後はとてもおもしろかったです。
すごく親切な人だなぁ、小説というものを愛しておられるんだなぁ、という印象を持ちました。
著者の作品は、「新世界より」を読んだだけですが、正直あまり好きなテイストではなかったです。でも、この本を読んで、「黒い家」と「天使の囀り」は読んでみたくなりました。(怖がりなので、amazonのレビューを見て、かなりひるんでしまいましたが)
「小説の書き方」について作家が書いた本は世の中にたくさんありますが、どの本も作家の創作秘話を教えてもらえてとてもおもしろいので好きです。今までいろんな作家の「小説の書き方」を読みましたが、どの作家さんも、本当に惜しげもなく、そこまで聞いちゃっていいの?ってくらいいろいろと教えてくださる印象です。
「職業上の縄張り意識について言えば、作家ほど寛容な人種はいない」というようなことを村上春樹さんが書いておられましたが、本当にそうだなと思います。(それだけ、自分の領域や仕事について、簡単には浸食されないという自負をお持ちだということの表れでもあるとは思いますが)
この本はそうした中でも親切度においてトップクラスだと思いました。
本当に手とり足とりという感じでした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
How-To
- 感想投稿日 : 2016年6月24日
- 読了日 : 2016年6月24日
- 本棚登録日 : 2016年6月24日
みんなの感想をみる