冥界からの電話

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本棚登録 : 98
レビュー : 14
著者 :
みけ猫さん 小説(日本)   読み終わった 

フィクション、小説として読んだ人は、消化不良過ぎて結末に不満を感じるかもしれませんね。
でも、私は「本当にあった話」として読んだので、とてもおもしろかったです。
最後までイッキ読み。
そして、プロの作家というのはすごいなぁ、と思いました。私が同じ話をしても、きっとこんな風におもしろく話せないなぁ・・・というような、非常に「ビミョー」な話です。

ひふみちゃん、という穢れなき女子高生は「最初からいなかった」、というのが、著者含め、多くの人の一致した意見じゃないでしょうか。
私もそう思います。
「妹の死」という重い事実を共有しているにもかかわらず、電話番号や住所を教えない、聞かれてもはぐらかす、一度も会おうとしない、というのは、やはりどう考えても変だと思います。

Amazonなどのレビューを見ると、多くの人が、「お兄さんのいたずらなんじゃないか」と考えておられるのですね。

私は、本の中で出てきた霊能者が言っていたように、「この世のものではない何か」のいたずらなんじゃないか、と思ったのですが。

まず男性諸君に言いたいのですが、女子高生が、ろくに面識もない中年男性に一方的に恋心を抱く、なんてことは、絶対にありえないです。淡い想いを抱くどころか、相手するのも面倒くさい、ってのが本音ですよ。
にもかかわらず、多くの男性がそのような可能性を夢見ていることにいつも驚きます。(男性作家の小説によく出てきますよね・・・ありえませんから!!!)

この本のお医者さんも、もちろん、そんなことを夢見たりしていませんし、別にスケベ心を抱いているわけでもない、それは事実だと思います。
でも、もう死んだ、ということを理解させるために、「おっぱいに触ってごらん?ふくらみがないだろう?」としつこくおっぱいにこだわるところは、「やっぱりオッサンだなぁ・・・」と思わずにはいられませんでした。私だったら、「体に触ってみて」とは言うだろうけど、いちいち「おっぱい」なんて思いつきませんよ。

そいういうちょっとした煩悩の部分に、「この世のものではない何か」が付け込んだのではないのかなぁ、と思います。
この方は、次の「審神者(さにわ)」の有力候補者みたいだから、それもあって、いたずら半分で力試しを挑まれたのではないかしら。なーんて。

私は、人間には理解できない大いなるものの存在、力、隣にある見えない世界、というものをわりと信じています。
でも、占いに従うとか、波動がどうとか、数字や雲のサインとかいう話になると、話し手によっては違和感や警戒心を感じます。本人が心の中でひそかに気にするのはいいけれど、まるで何かの証拠みたいにその日見かけたゾロ目の数字のことを言われても困ります。
この著者の「波動を上げる」うんぬんのくだりにも、なるほど、おもしろい、とは思うけれど、だからといって実生活を支配させられたり、善行に義務感を感じたくない、とは強く思います。

波動がどうとかあの世の仕組みがどうとか知らなくても、普通に日々を生きるだけで、ごく自然に、自分は大いなるものに生かされていると感じたり、特別なことはなくてもちょっとした偶然に感謝したり、ありのままの物事の美しさに畏怖の念を抱いたりできると思う。そういう意味で、超常的なことを信じる・信じない、というのはどうでもいいことのように思うけど、人は割と極端に二極化してリアクションするので驚きます。(毛嫌い、or 妄信、の二極化)

とは言え、昨今の日本を支配している「キレやすい」ムード、何がおもしろいのかさっぱり理解できない飲食店バイトによる動画テロ、短期的な利益のことしか頭にない環境破壊行為などに対しては、この著者が言うようなスピリチュアル的アプローチ(波動を上げることは重要なんだよ、みたいなアプローチ)は大いにアリなんじゃないか、なんて思ったりもするので、こういう見えない世界を描いた「あやふやな本」ももっと読まれればいいのになぁ、と思います。

レビュー投稿日
2019年3月8日
読了日
2019年3月8日
本棚登録日
2019年3月8日
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