池上彰の 世界を知る学校 (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2018年7月13日発売)
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本棚登録 : 211
感想 : 15
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この本の内容は池上彰さんの立教大学での「国際情勢を読み解く」という講義がもとになっているそうです。

一時限目 世界地図から見えてくる世界
二時限目 アメリカはどのような国か
三時限目 EUの理想と現実
四時限目 ソ連からロシアへ
五時限目 中東問題の本質は「土地問題」

一時限目では、イギリスの地図がスタンダードであることを、まず学びました。
世界地図は国によって描かれ方がまるで違い、著者の池上さんは地図の収集をするのが、趣味だそうです。
ロシアの地図では北方領土は「ロシアの領土」とされていますが、中国の世界地図ではでは北方領土は「日本の領土」だそうです。理屈としては、「敵の敵は味方」で「中ソ対立」があるためにそうなっているそうです。

二時限目のアメリカでは、アメリカという国を全く知らなかったことを思い知らされました。アメリカは「50の独立国が集まって一つの国を作っている」という基本をまず知りませんでした。(恥ずかしすぎるかもしれないです)そしてアメリカでは「聖書は正しい」と教えられていて「進化論を信じていない」なんて目からうろこでした。「アメリカには国民保険制度がなく医療費は全額負担」これは「アメリカは医療費が高いらしい」というのは聞いたことがありましたが、そういう訳があったのは初耳でした。

三時限目のEUの理想では「ヨーロッパ統合運動の基本思想」などは今までに読んだ世界を舞台にした文学作品や歴史漫画などを思い出して、とても楽しく読み進みました。

以上、裏話的なことを中心に書いてしまいましたが、核兵器の保有国がかなり多いのには脅威を感じました。

中東問題については、解決しないと世界平和はないそうで、一番問題であるようです。
これについては、新たにもう1冊本を書かれるそうです。

著者の言葉として「ぜひ、実際に自分の目で世界中を見て実際に世界中の人たちと話をしてみて、世界の生の姿を感じとってみてください。国際理解というものは、そうして少しずつ進んでいくものだと思います」というのが印象に残りました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 池上彰 グローバル
感想投稿日 : 2019年6月21日
読了日 : 2019年6月21日
本棚登録日 : 2019年6月21日

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