詩集 たましいの世話

著者 :
  • 亜紀書房 (2021年1月23日発売)
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本棚登録 : 58
感想 : 4
5

とても共感を覚えました。
まるで、自分のこころのうちから出てきたのかと錯覚するような詩ばかりでした(まさか私がこんな言葉を紡げる訳がないのですが、それほど共感したという意味です)。

でも、谷川俊太郎さんの詩を読んで「いい詩だなあ」とは思っても「自分の心と同じだなあ」とはあまり思ったことはないので、何かしらシンパシーが近い方なのかもしれません。
年齢が近いし、ごく普通のことばを使ってごく普通のことを語られているせいなのかもしれません。
人の死に関する詩が多く、普遍性があるのかもしれないです。
7割以上の詩に共感しました。

若松英輔さんの今まで4冊の詩集は、全部図書館で借りて読んできましたが、果たしてこんなに共感していたものなのか実はよく覚えていません。

全部で34篇の詩が載っています。
巻頭の詩「いのち ひとつ」はたくさんの命を亡くすことになった(今日、現在5193名)今の緩いコロナ対策を平気でやっている政治家の方たちに読んでもらいたいです。


「いのち ひとつ」
亡くなったのは
わたしが愛した
あの人で
千人の中の
一人ではないのです

もう抱き合えない
あの人は
街を歩く 千人を
どんなに探しても
見つかりません

亡くなった人が
多いとか
少ないとか
そうした
話の奥には いつも

たった ひとつの
命を喪った
わたしのような
人間がいるのを
忘れないで下さい


「花」
花が咲いている
今日が
暖かいから
咲いたのではない

寒くて 人間が
肩をすぼめ
下を向いて
歩いていたときも

樹々は
しずかに
わずかな あたたかみを
たくわえていたのだ

きっと 花が咲く
気づかないうちに
わたしの
こころのなかでも



「悲しい人」「はげまし」「しあわせのあかし」「慰めの方法」「別れ」「履歴書」「誓い」「胸底」も共感を強く感じました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 詩集
感想投稿日 : 2021年1月26日
読了日 : 2021年1月26日
本棚登録日 : 2020年12月25日

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コメント 2件

りまのさんのコメント
2021/01/26

まことさん
私も、共感いたしました。少し、涙が滲みました。父の言った言葉を、思い出します。父の、おじいさん(私の、ひいおじいさん)が亡くなったとき、90代だったので、皆が、大往生だ、と言っていたけど、そんなんじゃない、もっともっと、生きていてほしかった、と、、、

若松英輔氏の詩集を、私も読んでみたくなりました。

まことさんのコメント
2021/01/26

りまのさん。
コメントありがとうございます。
私も父が50代で亡くなっています。
もう、誰も亡くなってほしくありません。
特に大切な人には。

若松英輔さんの詩集も、是非読まれてみてください。

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