「ネオンテトラ」
「魔王の帰還」
「ピクニック」
「花うた」
「愛を適量」
「式日」の6編の短編集。

初読みの作家さんで、直木賞候補になっているらしいですが、この作家さんBL以外に他に作品があったら読んでみたいと思いました。
どんな作品があるか、御存知の方がいらしたら教えて欲しいです。

この中では「ネオンテトラ」「ピクニック」「花うた」「愛を適量」がよかったです。

「ネオンテトラ」はちょっと泣きたくなりました。有沙と美和は姪と叔母ですが、有沙のBFの笙ちゃんをより好きだった(心の支えにしていた)のはどちらだったのかと思いました。
「ピクニック」は悲劇だと思いました。生まれた子の名前が真実というところは細部まで凝っていると思いました。
「花うた」は傑作だと思いました。美しい作品です。一番完成度の高い作品だと思いました。
「愛を適量」はトランスジェンダーの佳澄のキャラクターがなんかよくわかってしまい、父子の交流がよかったです。

2021年6月22日

読書状況 読み終わった [2021年6月22日]
カテゴリ 小説

552ページの厚さをみて、一瞬怯みましたが一気読み必至の面白さでした。
さすが国民的人気作家の東野圭吾さんの最新作です。
今年のミステリーの大賞作品はこれで決まりではないでしょうか。


以下ネタバレ少しあります。お気をつけください。


誰からも恨みを買うはずのない港区で弁護士事務所をやっている白石健介55歳が港区の海岸で殺されているのが発見されます。
スマホの通話履歴から愛知県に住む倉木達郎66歳が浮かび、刑事の五代らが、愛知県へととび、捜査が始まり2、3か月に一度上京し一人息子の倉木和真のところで寝泊まりをしていたという倉木を怪しいとあたりをつけます。
しかし倉木はあっさりと自白。
白石に法律相談をして知り合い殺したと罪を認めます。
倉木はそして1984年の『東岡崎駅前金融業者殺害事件』の真犯人は自分であり、その時に捕まって留置場で自殺した福間淳二は誤認逮捕であり、その罪を償うために遺族である浅羽という母娘に遺産を遺す相談をしたら弁護士の白石に「死んでから償うのではなく、生きているうちに償うように」と反対されたので秘密をばらされると思い殺したといいます。

ここまでで、まだ100ページ弱。
ここから倉木の息子の和真や白石の一人娘の美令が倉木の自供がどうもそれぞれの父親像と違うということを不審に思い刑事たちとはまた別になんと二人が協力して調べようと動き始めます。

そして門前仲町で『あすなろ』という居酒屋を営んでいる浅羽母娘。娘の織恵は倉木に好意を持っていました。

それぞれのそれぞれを想う想いが交差してついに二つの事件の真相がみえたとき『白鳥とコウモリ』というタイトルにこめられた深い意味がわかり、もの凄い濃密な人間ドラマを読んだという思いを強く感じました。

2021年6月20日

読書状況 読み終わった [2021年6月20日]
カテゴリ 小説

『9月9日9時9分』なんて縁起の悪そうな数字のタイトルだと思っていたらタイでは九が一番人気のある数字だそうです。

この作品の主人公タイからの帰国子女の漣は高校一年生で日本に戻ってきます。
そして高校で偶然好きになったひとつ上の先輩朋温は年の離れた姉のまどかの元夫の弟でした。
まどかはDV被害に遭って夫の修一とは離婚し、今でもDVを思い出し、どこにも出かけられないくらい傷ついていました。

漣と朋温の交際はさわやかでとってもせつなさが伝わってきて幸せになってもらいたいと思わずにはいられません。高校生で親に付き合いを隠しているのはつらいだろうなあと思いました。
漣の「別々の場所で幸せになるくらいなら同じ場所で不幸になりたい」という気持ちが印象的でした。
「姉はもちろん修一さんにも元気になって欲しい」という前向きな漣。
しかし漣は朋温に姉のためを思い「他に好きな人ができた」と別れを告げます。

DVというのは病気のひとつなんだなあと思いました。
この小説のテーマでしょうか。

「もし曜子が私の立場だったらどうする?」
「跳びこえるに決まってる」

漣はあれほど怖がっていた痴漢を朋温にもらったピンクのハチマキでつかまえます。
漣にはいつかきっと幸せが訪れると思いたくなる物語でした。

2021年6月19日

読書状況 読み終わった [2021年6月19日]
カテゴリ 小説

第1章 すべては「時間」が基準
○「充実した時間」こそが「長生き」の要諦
↓新しい道具を生み出す
○いやな時間や仕事は長く感じ、楽しい時間はあっという間に過ぎる
↓心理的な「時間」こそが真の時計
○楽しい時間が早く過ぎるのはなぜか?
↓私たちが人生で求めているのは「楽しい時間」長生きとは楽しい時間の長さ
○「好きなことを仕事にする」のではなく「仕事を好きになる」

第2章 現代社会と「時間」
○人間社会は「時間」の売買で成り立っている。
↓多くの人が一流大学に入るために勉強したり、資格を取ろうと努力をするのはひとえに自分の時間を売るため
○「才能」とは、同じことを他人よりも短い時間でやれる能力である

第3章 時間はあらゆるものに交換可能
○社会は「時間の交換」によって成り立っている
○私たちが所有しているすべての品物は「時間」を換えたものである
○言葉は人類が「時間」を超えるために作られた
↓本来はその死によっていったんリセットされるはずのものが次世代に受け渡されていく
○言葉以上の発明は「文字」
○人類が「時間」の壁に敗れる時
↓その最大のものは戦争

第4章 私たちの「時間」を奪うもの
○現代人が最も恐れるのは「退屈」である
○金はいくらでも増やすことができるが時間はそうではない
○読みたいものがあるから本を読むのと、時間が空いたから本を読むのとでは同じ行為でもそこには大きな開きがある
○「時間」はあらゆることに交換可能だが、それを再び「時間」に戻すことはできない
↓貴重な時間を「退屈しのぎ」に使ってしまうことくらい虚しいものはない

第5章 「止まれ、お前は美しい!」
○芸術のみが「エネルギー保存の法則」を超える
○成功を望むなら「今やるべきことを」今やる

2021年6月18日

読書状況 読み終わった [2021年6月18日]
カテゴリ 時間

児童救命士たちの活躍を描く連作短編集ですが一編の長編小説にもなっています。
児童救命士とはライフバンドによる児童からの救急要請に応じてかけつけて対応する架空の仕事です。

新人の救命士長谷川創一は江戸川児童保護署の「救命部」の新藤敦士37歳の元に配属されます。

第一章 語らない少年
ライフバンドによって4年生の須藤誠が助けを求めてきます。調べていくうちに誠の家庭内のとある秘密が発覚します。

第二章 ギトモサイア
東三条美月8歳から救助要請があります。美月は「ただ迷子になっただけ」と言いますが、美月も事情を抱えていました。

第三章 リピーター
12歳の椎名涼太はライフバンド使用のリピーターであることが確認されます。同級生の川越孝之助にいじめられていたといいますが「二人の仲が良い」と証言する同級生もいて様子がおかしいのですが真相は。

第四章 希望の音
長谷川の上司である新藤が暴力をふるっているフェイク写真がカヅキという男子高校生によってネットにアップされていました。
カヅキを手先に使っていたのはカヅキの同級生の柳原麗華だとわかります。
そして新藤と長谷川は新藤に恨みを持つ麗華に監禁されてしまいます。
そして長谷川の方にナイフを持って近づいてくるのは4年生の時に助けた須藤誠です。誠は「本当は母がひどい目にあって二人を恨んでいた」といいますが…。誠は本当に二人を殺すつもりなのか…。

読んでいて最後はこれはちょっと詰め込みすぎではないかと言う気がしました。登場人物がそれほど長くはない物語の中でみんな特別な過去を持っています。
言いたくても言えない理由のある子どもたち。
そして新藤や長谷川にまでつらい過去がありました。
新藤の育ての母のキヨの営む「救いの森」という食堂の存在と、涼太が「将来は児童救命士になりたい」と言っていたのが救いだったと思いました。
新藤の「ガキの頃、人に助けてもらった経験のある者は、成長してから今度は自分が誰かを助けたいと思うようになる」と言ったのも印象的でした。

2021年6月16日

読書状況 読み終わった [2021年6月16日]
カテゴリ 小説

デザイナーとして東京で働いていた瀬尾水樹45歳のところに京都にいる高校の同級生堂林謙吾から連絡が卒業以来初めて入り、上田先生の具合がよくないと言われます。

水樹にはもう一人保育園から一緒だった森嶋信也という家族ぐるみで付き合っていた同級生がいましたが、行方不明です。
水樹は憲吾と遠子先生を見舞います。
憲吾は公務員を辞めて新しい仕事を始めたいと言い、転職を考えていた水樹のデザイナーとしての腕を買って、一緒にしないかと誘ってきます。

水樹は高校まで兄妹、兄弟同士仲の良かった信也のことを忘れたことがありませんでした。ずっと逢いたいと思っていました。
信也には亡くなってしまった兄の正浩と弟の悠人がいて、水樹は一度だけ恋人らしき男性もいたのですが、決して忘れられないことがたくさんありすぎました。
兄の正浩が亡くなった日のこと。
弟の悠人がいじめに遭っていたこと等々…。

そして高校に入って憲吾に出逢います。
遠子先生は卒業後就職を希望していた水樹にデザイナーの道を切り拓いてくれた恩人です。
水樹のもう一人の友だち憲吾にも色々、困難な過去があったことが45歳になった今になってようやく水樹は知ることになります。

信也は「水樹がどこにいても絶対に会いにいくから」と水樹が上京するとき言ったのに、なぜ消えてしまったのか…。

でも45歳になって水樹たち三人は再会することができたのです。
「本当の自分を出せる相手に巡り合ったらそれだけでもう幸せなのよ」遠子先生の遺してくれたものも大きいと思いました。

2021年6月14日

読書状況 読み終わった [2021年6月14日]
カテゴリ 小説

国民的人気歌手の上条梨乃が飛び降り自殺した翌朝、上条梨乃はセンター街のゴミ捨て場で、目を覚まし、自分が自殺して死んでいることになっているのに驚きます。
街を歩く人々は誰も梨乃に気づかず、大学で心理学を学ぶ佐伯優斗と小学4年生の立川樹だけが梨乃が梨乃であることに気づきます。
そしてまた樹も梨乃の自殺現場でひき逃げに遭い死んだ少年で家族や他の誰にも自分を認識されなくなった子供でした。

梨乃は名前を田代美加と変えて優斗の姉の家に身を寄せ、自分が所属していた芸能プロダクションで事務のアルバイトを始め、自分の身辺を探り始めます。
梨乃には自殺をした覚えは全くなかったのです。
樹は優斗の家で暮らしはじめます。

梨乃と樹は「本当は自分たちは死んでいないのか」それとも「死んだけれどなぜか生き返ったのか」考え、樹はネットでザ・スプリング・オブ・リインカーネーション<輪廻の泉>という言葉を発見します。
そして巷では<輪廻の泉>というカルト教団が事件を起こしたのが発覚し始めます。
そして梨乃の事務所の人間関係から事実が発覚します。
梨乃と樹のただ一人の理解者である優斗にも過去に事件があったことがわかってきます。

凄くミステリアスな話かと思ったら、結構ストーリーは実際あり得なさそうではありますが、単純明快で、登場する悪役たちは本当に許せない人間でした。

少し長めのエピローグで梨乃が梨乃の曲を大学の学園祭で歌うシーンは感動的でした。

2021年6月13日

読書状況 読み終わった [2021年6月13日]
カテゴリ 小説

人気の本ですね。図書館でやっと借りられました。

香月史郎という推理作家が霊能力者の城塚翡翠という美貌のお嬢様とともに事件の謎を解いていきます。

第一話 泣き女の殺人
香月の大学の後輩の倉持結花が自宅で殺されます。

第二話 水鏡荘の殺人
香月と翡翠が作家の黒越篤の家にバーベキューに招かれた晩に黒越が殺されます。

第三話 女子高生連続絞殺事件
同じ高校の女子高生が連続して三人絞殺されます。

以上の話は翡翠が降霊をして解決していきます。

最終話 VSエリミネーター
巷を騒がせる若い女性ばかり狙う連続殺人鬼に翡翠が狙われます。

第三話まではどちらかというとなんだか地味な展開で翡翠のお嬢様キャラが奥ゆかしいけどどうしてこの作品が数々の賞を総なめにするほどの人気があるのか理解できませんでした。
でも、最終話でこれは全くやられた~っ!と思いました。こういう話だったのですね。
翡翠の活躍ぶり、はじけぶりが並ではなく、凄いとしかいいようがないです。翡翠の本音が爆発しています。

第三話まで読んで面白くないと思っても最終話まで絶対読んでみてください。

「ひと粒で二度おいしい」そんなキャッチフレーズがありましたよね!
続編もあるみたいで楽しみですね!

2021年6月11日

読書状況 読み終わった [2021年6月11日]
カテゴリ 小説

望月正幸が会社で贈賄の容疑を受け失踪します。
望月正幸に関わる人間を巡る連作短編集です。
失踪は十数年に渡り、家族である妻の可南子と娘の涙(ルイ)は母ひとり子ひとりでルイの父親である正幸を探して転々としています。
妻の可南子は言います。
「神様は耐えられない試練は与えないらしいよ」。

第六話に登場する介護士の仕事をしている人物が言った言葉が心に残りました。
「でも好きな人と好きな映画を観た。短い間だったけど、一緒に暮らした。たったそれだけです。その記憶だけで、生きていけるんです。もう決して触れてはいけない幸福な記憶です」

ラストシーンには希望がみえます。
贈賄事件の時効は何年くらいなのかと思いました。

2021年6月10日

読書状況 読み終わった [2021年6月10日]
カテゴリ 小説

最近読み始めた秋吉理香子さん。
普通のミステリーだとばかり思っていたら謎はありましたが、この作品では殺人事件は起こりません。
軽く読める恋愛ミステリーとでも言ったらいいのでしょうか。

子供の頃歌手になるのが夢だった、新山深雪34歳。
20年前暮らしていた雪之島、一番の美少女でアイドルのオーディションに合格しますが父親に上京を反対されてあきらめます。
東京の大学に合格するのと同時に芸能界への未練がつのり、バイトをしたりしてきましたが、年齢的に無理があり、芸能プロダクションでアイドルの宮原かおりのマネージャーの仕事をしています。

深雪には広告代理店に勤める恋人の藤崎俊亜貴がいますが、6年間つきあっても結婚しないので、周りの先輩女性から注意され「この年末年始に実家に一緒に行ってくれなければ別れましょう」と言ったら、俊亜貴はなんとOKで、島に行くフェリーの中で結婚指輪まで渡されます。
俊亜貴はなんか胡散臭いなあ、地元の幼なじみの達也の方がずっといい男だよなあと思って読んでいたら、やっぱり。
俊亜貴は1000万円以上の借金の返済のために深雪が必要だったのです。しかも本命の女性までいて、深雪とはカモフラージュのために付き合っていたのがずるずると。そして深雪の預金をあてにした借金返済のための結婚。


以下ネタバレです。ご注意ください。


大丈夫です。深雪は深雪のことが大好きな島の女の子風花ちゃんが、島の守り神「しまたまさん」に一生懸命お願いしてくれたおかげで幸せをつかむことができます。
島の生活は濃い人間関係など厳しいところもありますが、スマホだけでつながっている都会の生活は怖いということを実感しました。

2021年6月8日

読書状況 読み終わった [2021年6月8日]
カテゴリ 小説

すごくせつなくなってしまう、考えさせられる話でした。

中学生の息子茂明を壮絶ないじめを苦にした自殺で亡くし、翌年妻も息子の自殺を苦に亡くした父親、風見啓介。
彼はピエロのペニーとなって、茂明を自殺に追い込み、高校生になってもいじめを続けている、竜二、直紀らのいじめを受けている時田祥平を助けます。

「私はペニー」
「私が殺してあげる」。
私は作者がなぜこんなに酷い、連鎖するいじめといじめを苦に自殺した中学生の話を執拗に書くのだろう。むごい話だと思いつつ読んでいました。

いじめというものはいじめをする相手が死ぬまでなくならないものだという作者の考えはよくわかりました。連鎖するいじめに和解はないんだという絶望感を感じました。

そしてペニーは竜二と直紀を殺します。
息子のために。そして祥平のために。
そしてペニーこと風見は死刑判決を受けます。

祥平の叫んだ「僕がペニーの息子になるから、行かないで」と「本当の罪人は誰ですか」という言葉が心に残りました。

この作品にはいじめられた生徒、いじめた生徒の父親が何人か出てきますが、本当の優しさをもっていたのはペニーだったと思いました。

2021年6月6日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2021年6月6日]
カテゴリ 小説

凄く面白かったです。
夢のような物語でした。

研修医の碓氷蒼馬は広島の病院から神奈川県の葉山の超高級ホスピスの岬病院に実習生としてやってきます。
そこで28歳の脳腫瘍を抱えた女性患者の、弓狩環(通称ユカリ)と出逢います。
ユカリは身寄りがなく莫大な遺産をもっていました。
そして、親しくなった蒼馬に「わたしをこの鳥籠から連れ出してくれる」と言い、蒼馬は自分の父の不審死の謎を解いてくれたユカリに生まれて初めての本当の恋をしてしまいます。


そこまでが前半の第一章で、以下ネタバレしていますのでお気をつけください。


第一章の最後は「僕は二度と弓狩環と言う女性に会うことはなかった」と結ばれていて「えーっ、話はまだ半分残ってるんだけど、どうなるの~!」ということになります。

第二章はユカリが4日前に亡くなり、ユカリの弁護士が蒼馬の元に以前話した父の借金3068万円を遺産として広島に持ってくるところから始まります。

蒼馬はユカリの死に不信感を抱き、岬病院に行ってみますが、院長は「君は弓狩環さんを担当したことは一度もなかった。すべて君の妄想だ」と言われ愕然とします。
蒼馬は病院の異常さに気づき、一人でユカリについて調べようとしますが…。

前半は少々メルヘンチックな感じがしましたが、後半は謎だらけの展開で一気読みでした。
ラストも全然予想がつかず驚きました。
ホント、狐か狸に化かされたのかと思うような嘘みたいなミステリーでした。

2021年6月5日

読書状況 読み終わった [2021年6月5日]
カテゴリ 小説

これは一体どういう話なのだろうかと思いました。
今まで、こんな小説は読んだことがなかったです。
恐い小説でした。
読み終えたときは凄い小説を読んだと思いました。

時系列にストーリーをたどると、1963年、高校生の須賀庸一は中学生の弟の堅次に誘われて家出の計画を立てます。二人は両親を快く思っていませんでした。
計画を立てたのは、天才の頭脳を持つ弟の堅次です。
堅次は海に飛び降り自殺をしたとみせかけ、先に一人で東京に移り住み、兄の庸一はあとから堅次の家の側の工場に就職して家を出ます。

そして堅次は「自分は小説を書くけれど、自分は死んでいるから、小説家になるのは庸一だ」と言います。
そして書くのは私小説で「庸一は演技が上手いから小説をこれから実体験にして演じてくれれば小説は当たる」とも言います。
庸一はそれを引き受け、見事に堅次の書いた小説は当たります。
好色で酒好き、暴力癖のある作家が庸一のトレードマークとなり、庸一は作家ー文士という肩書で、好きだった高嶺の花の詠子と結婚し、一人娘に恵まれます。

しかし、甘くはなかったのです。そこで堅次は「次は妻を殺して自殺に見せかけた作家を演じろ」と言い出します。そして出だしのシーン。妻に自殺された作家の場面に戻ります。
庸一は本当に愛していた詠子を殺してしまったのか…。

そこには怒涛のストーリー展開がありました。
そこからラストまでは息をもつけぬ展開で物語が進みます。
庸一の人生は何だったのだろう。
そしてもっと不可解なのは、ずっと独り暮らしで小説を書き続けた堅次の人生です。
凄い幕引きでした。

2021年6月3日

読書状況 読み終わった [2021年6月3日]
カテゴリ 小説

てっきりビブリオミステリーだと思って図書館にリクエストしましたが、読んでみたら全然違う未成年者による猟奇殺人の話だったのですが、せっかくリクエストした本だし(泣)最後まで読みました。

書店で契約社員として働いている椎野正和は17年前に中学の同級生の田上紗耶香が死我羅鬼潔と名乗る隣の家の少年に猟奇殺人によって殺されています。
隣の家の藤本創(はじめ)こそが犯人であり、創の弟の祐(たすく)と正和の弟の秀和は親友同士でした。

マスコミは正和の指紋が出たという警察の調べにより椎野家にも押しかけ、一時は共犯の可能性を示唆された忌まわしい事件。

その創は出所して17年後の今になって告白本を出版し、正和が働く書店にもその本が入荷してきます。
正和は最初は見るのもおぞましく感じた17年前の事件の本ですが、同級生の加藤つぐみと17年ぶりに会ったり、週刊誌のライターの青木につきまとわれるようになり、つい問題の告白本を読んでしまいます。

そこで、正和は殺人現場である学校の描写などの違いから告白本を書いたのは本人ではないということに気が付きます。
では告白本を本当に書いたのは誰なのか…。
最後はとんでもない結末でした。

『贖罪』という言葉の重みには軽々しく口にできないものがあるのだということがよくわかりました。
あまり気分がよくなる本ではありませんがミステリーとしてはよくできていると思いました。

そしてまた、実際にあったこのような猟奇的殺人事件でも、確か告白本が出ていたことを思い出し、事件の重さを考えさせられました。

2021年6月1日

読書状況 読み終わった [2021年6月1日]
カテゴリ 小説

家の本棚にずっと眠っていた本です。
朝日新聞の日曜版に1995年4月から1997年3月まで連載されていたもののようです。
文庫版あとがきによりますと、俵さんが30代の初めのころに編まれたものだそうです。
私は2012年に文庫版を買っていました。

恋の歌が100首に俵万智さんの鑑賞文が見開きで二ページずつ載っています。歌人は旧くは1864年生まれの伊藤佐千夫から現在活躍中の1970年代生まれの歌人まで。
古臭い感じは全くなくしっとりとしたいい雨が降った後の初夏の山道を歩いているような気分で読みました。
歌もよかったけれど俵さんの鑑賞文も素晴らしいと思いました。
以下特に気に入った歌。


きみが歌うクロッカスの歌も新しき家具の一つに数えむとする   寺山修司

春芽ふく樹林の枝々くぐりゆきわれは愛する言ひ訳をせず   中城ふみ子

いつかふたりになるためのひとりやがてひとりになるためのふたり   浅井和代

一度にわれを咲かせるようにくちづけるベンチに厚き本を落して   梅内美華子

君の眼に見られているとき私はこまかき水の粒子に還る
         安藤美保

ゆるされてやや寂しきはしのび逢ふ深きあはれを失ひしこと   岡本かの子

観覧車回れよ回れ想い出は君には一日我には一生
          栗木京子

一度だけ本当の恋がありまして南天の実が知っております   山崎方代

たとへば君 ガサッと落葉すくふやうに私をさらつて行つてはくれぬか   河野裕子

暖かき春の河原の石しきて背中あはせに君と語りぬ
          馬場あき子

花水木の道があれより長くても短くても愛を告げられなかった   吉川宏志

白い手紙がとどいて明日は春となるうすいがらすも磨いて待たう   齋藤史

2021年5月30日

読書状況 読み終わった [2021年5月30日]
カテゴリ 歌集

パリ八区にある、小さなオークション会社「キャビネ・ド・キュリオジラ」(CDC)に勤務する高遠冴(さえ)。
冴は大学で美術史を学びゴッホとゴーギャンのアルルにおける相互影響についての博士論文を書いています。

冴の元に50代のサラ・ジラールと名乗る女性が一丁の拳銃(リボルバー)を持ってきます。
サラは「このリボルバーはフィンセント・ファン・ゴッホを撃ち抜いたものです」と言います。
オークション会社社長のギローは「ゴーギャンがゴッホに対する嫉妬から撃ち殺したのなら辻褄が合う」などと言い出します。
冴は、「ゴッホとゴーギャンは表面的に反目し合うことはあっても、心の底では深い友情で結ばれていたのでそれはありえない」と言います。

2011年にはアメリカで『ファン・ゴッホの生涯』というゴッホの他殺説の本が出ているそうです。

この本はフィクションですが、あり得たかもしれないゴッホとゴーギャンのもうひとつのサラという女性の物語です。

この本の主人公である冴とサラ、そしてこの作品の作者である原田マハさんの願い。
フィンセントも、ポールも、決して不幸のうちに人生を終えたのではなかったと信じたいという気持ちが伝わってくる奇跡の一瞬をとらえた物語でした。

2021年5月28日

読書状況 読み終わった [2021年5月28日]
カテゴリ 小説

三宅紘二郎74歳はカレー屋を独りで、40年間営んでいましたが、とある決心をします。

紘二郎の実家は医院を開業してして父も兄も医者でした。
父は戦争を経験していて、戦地で世話になった草野一等兵に恩があり、半身不随の体になった草野の娘と自分の息子を許嫁として結婚させる約束をしました。
そして、父は草野の娘の睦子には5歳年上の紘二郎の兄であり医者を目指している征太郎をと決めていて、睦子と同い年の紘二郎は無視されました。

しかし、初めて睦子と顔合わせをした日、睦子と本当に惹かれ合ったのは紘二郎でした。
睦子と紘二郎は父が亡くなったのをきっかけに二人の本当の気持ちを家族に打ち明けますが、聞き入れられず睦子と征太郎の結婚式の日に二人で駆け落ちをし、二人で働きながら幸福な二年間を過ごし、二人が二十歳になった時婚姻届けを出しますが、そこから足が付き、征太郎が睦子を奪い返しに来ます。
征太郎は母が首を吊り、草野が重篤だといいます。
それを聞いた睦子はショックで戻ると言い出します。
しかし五年後、征太郎が、睦子と五歳の娘桃子、義父の草野を殺して無理心中を図りますが、自分だけ死にきれず、20年間服役します。

紘二郎は40年後の今、征二郎からと思われる葉書を受け取り決意をします。
「兄さん、今からあんたを殺しに行くよ」
睦子を迎えに行こうと思っていたワインレッドのコンテッサに乗って。

コンテッサを売った青年リュウと紘二郎は知り合い、とあることからリュウと二人で車を運転しながら大阪から九州まで旅に出た六日間。
リュウも重大な事情を抱えていました。


以下ネタバレです。お気をつけください。


最後は意外な人物が登場してきてキーマンとなり事件は終焉を迎えることができます。
リュウはこれから先が大変ですが、きっと紘二郎と出会ったことにより、少しでも事態がよいものになってくれるのを祈るしかありません。
最初は一体どんな修羅場が起こるのかと思った物語ですが、深い緑色の表紙の色のように静かに終わってくれてよかったです。

2021年5月27日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2021年5月27日]
カテゴリ 小説

秋吉理香子さんの作品は読むのが4作目でしたが、わりと短いストーリーの中で人を騙すのが上手い作家さんだと思いました。

この作品の舞台はバレエダンサーの世界です。
東京スペリオール・バレエ団のスタジオにロシアのシルヴィア・ミハイロフが演出家として日本生まれのアメリカ人ダンサーのユリカ・アサヒナを連れてやってきます。

最初はバレエ団の内輪話からはじまり『眠れる美女』を上演するのですが、配役でちょっとした衝突が起こります。
いつになったら事件が起きるのかと思ったら、物語の中盤で二人のダンサーが殺されます。
『眠れる美女』と同じく紡錘で毒を注入され殺されます。

246ページと割と短い中で、事件は二転三転し「えっ、まさか、この人が犯人なの!」な展開あり、大忙しな解決編でしたが、なるほどこういう展開になるのかと予想もつかなかったラスト。
殺人事件はあったのに、まるでハッピーエンドのようなラストでした。

2021年5月25日

読書状況 読み終わった [2021年5月25日]
カテゴリ 小説

1967年の夏、埼玉県のみどり町で大きな台風被害の直後に若い女性と乳児が殺害されて、犯人は不明というショッキングな事件が起きます。
この事件がきっかけとなってもともと住民の間にわだかまっていた不安や恐れがはっきりとして<みどり町の怪人>という形の都市伝説となります。
そして大きな台風の起きた年は女性と子供は気を付けろという風潮が生み出されていきます。

第一話から第七話までの連作短編集ですが、各話の登場人物はみどり町の住人で、各話にリンクしています。
小学生から認知症の老女まで様々な人物が登場します。

そしてとうとう第六話では女子中学生が一人、行方不明になるという事件が起きます。
第七話ではみどり町の怪人の正体が明らかになりますが…。

FM青葉の<ミッドナイト・ビリーバー>をバックグラウンドに流しながら令和に起こった<みどり町の怪人>の事件が語られていきます。

1967年の事件はむごいものでしたが、令和の<みどり町の怪人>は決して極悪人ではなく、心の琴線に触れてくるものがありました。

2021年5月23日

読書状況 読み終わった [2021年5月23日]
カテゴリ 小説

魔法の都とよばれる都市マジェイアにストレーン山脈を越えてグリモアからアダムという青年がやってきます。
アダムはマジェイアの手品師や奇術師が加入する魔術師名匠組合に加入する試験を受けるつもりでした。
百人の魔術師が受けて合格するのは3名のみ。

そこでアダムはマジェイアの市長にして魔術師の統領のロベールの娘で11歳のジェインと知り合い仲良くなります。
ロベールは息子のピーターを後継ぎにしようと可愛がりジェインのことは放っておいていました。
そしてアダムは無二無双ニニアンという下手くそな魔術師を助けてやります。
その時の魔術があまりにも鮮やかでロベールはアダムに手品の種を教えて欲しいと言い出します。
しかしアダムがやっているのは、魔術(手品)ではなく、どうも本物の魔法使いではないかという噂になってきます。

アダムはジェインとニニアンとものいう犬のモプシーとピクニックに出掛けてジェインに語ります。
「わからないかいジェイン。われわれのまわりには魔法がみちみちてるってことが。(中略)牝牛はこれをミルクに変えることができるんだ。そのミルクからクリームやバターやチーズができて、われわれがそれを食べたり飲んだりして大きくなるんだ」
「にわとりは偉大な手品師だよ。割った卵をもとへ戻すことならぼくにもできるがね。しかし卵を一つでも生み出すことはできやしない」
「それからまだひとつ、のこっているものがある」
「それはきみの魔法だ」
「眼をつむってごらん」
「さあ、どこか他の場所のことを考えるんだ。ーまえに行ったことのある、楽しかったところをいってごらん」
「海辺だわ!とてもよかった」
「きみはいま海辺にいる。そうだろう?」
「そうよ」
「じゃあ、眼をあけろ!」
「さあ、もうこうしてここにいる。けれどもたったいま、何百マイルも旅行に行ってきたんだ」
「何もかもこの中につまっているんだよ」
アダムは長い指で彼女の額にそっとふれた。

このシーンが一番、印象的でした。

以下、ネタバレですが、試験日に天井から金貨を降らせて悪い魔術師の手から逃れてそのままモプシーとともにいなくなってしまったアダム。
13歳になったジェインはばったり出会ったニニアンとともにアダムを探しにいこうとしますが、ジェインはあのピクニックの日の魔法を思い出しいくのを思いとどまります。

2021年5月21日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2021年5月21日]
カテゴリ 小説

とても哀しい話でした。

川崎咲花子は子供の頃両親を亡くし、同じ境遇の忠時と出会い結婚します。
しかし忠時が窓から転落して亡くなります。
それを目撃して通報した久保河内英雄があとから忠時による投資詐欺に遭い、忠時を殺したのではないかと疑われますが、英雄は詐欺の被害者であったという調べで無罪になります。
咲花子は、一度は自殺を考えますが、失敗し、自殺サイトで知り合った佐藤絵里になりかわり英雄に近づいて復讐しようと考えます。
整形して絵里になりすまし、咲花子は英雄の妻となります。

以下ネタバレです。お気をつけください。


最初は忠時の恨みを晴らすために結婚した咲花子でしたが、英雄の人柄に触れ、本当の愛に気づき、自らもまた、英雄を愛してしまいます。
しかし、英雄の妹の亜希子が咲花子の正体に気づいていたのです。
咲花子は今度は自分が殺されるのではないかと怖くなりますが…。

本当に何とも言えない切なくなるラスト。
幸せになってはいけない二人だったのでしょうか。

2021年5月19日

読書状況 読み終わった [2021年5月19日]
カテゴリ 小説

オードリー・タンは台湾の行政院(日本の内閣)の閣僚のひとりであるデジタル担当の政務委員。

初の自著となる本書は台湾と日本をオンラインで結んでデスカッションしながら作ったもの。
8歳からプログラミングの独習を始めて30年間デジタルの世界に関わってきて、テクノロジーが世の中をどのように変えるのか考えを述べたもの。


○AIの目的はあくまで人間の補佐。最終的な調整は人間が行わなくてはならず、責任は人間が負う。民主主義のシステムと同じ。
○私とコンピューターの関係はスティーブ・ジョブズの言った「精神的な自転車(Bicycle of Mind)」ここで重要なのはツールではなく、あなたがどこへ行き、何をしたか。
○重要なのはいかにしてAIに人間の補佐をさせて次世代によりよい環境を残す方策を考えているか。
○AIがいくら進化しても人間にしかできない仕事がある。
○公共の価値を生み出すことに喜びを感じるように自分を再定義すると、同じことを行っていても、機械が十倍の結果を出せば十倍の公共価値が生まれたと思い、幸せを感じられる。
○デジタル技術は「誰もが使うことができる」ということが重要→それが社会のイノベーションにつながる。
○年配者は若者から「今のデジタル社会と、どうコミュニケーションをとっていけばいいか」を学び若者は年配者の知恵や経験を学ぶ。
○”Taiwan Can Help”→「台湾がコロナに関して解決できた問題を国際社会にシェアしたい」デジタル担当委員としての役割の一つは、人々がお互いに語り合える場をオンラインで提供すること。
○プラスティック製ストローを全面的に禁止にしたのは、女子高生の提案だった。私たちのプラットホームでは「二カ月以内に五千人が賛同した場合には必ず政府が政策に反映する」
○インターネットは間接民主主義の弱点を克服できる重要なツールとなり得る→そこにデジタル民主主義の未来の可能性を見ている。
○わずかな部分、あるいは少人数のためのイノベーションによって、弱者を犠牲にしてはならない。
○「AIによって人間の仕事が奪われる」というのは、やや誇張した言い方である→「AIを導入すれば人間の職業が消える」ということはあり得ない。
ある仕事のうち「重複性が高い部分についてはAIや機械に任せる」というスタイルに変わるだけ。
イノベーションを行えば行うほど、人間の仕事はクリエイティブになっていく。
○子どもたちにイノベーションのパートナーになって欲しい→必要なのは「スキル」ではなく「素養」。
○重要視しているプログラミング思考とは、純粋なプログラミングを書くための能力や思考ではない→「デザイン思考」「アート思考」と言い換えることができる。
○デジタル社会で求められる三つの素養「自発性」「相互理解」「共好」
○デジタルの素養を身に付けるには何が必要か→「多くの人が共通して関心を持つ特定のテーマを見つけ、そこにある問題をどうすれば解決できるのか一緒に考えてみる」
○アート思考を重視するのは既存の可能性にとらわれないようにするため。
サイエンステクノロジーしか学んでいなければ学んだ内容は誰もが同じになってしまう。
また文才があればあるほどプログラムがうまく書ける。
○自分が行くことが可能な範囲内で旅をし、その中からできる限り自分の文化やこれまでの人生経験とは異なるような友人をみつけ、話を聞く。
○選挙権を持たない15、16歳ぐらいの若者も重要。
未来は若者からやってくる。

2021年5月17日

読書状況 読み終わった [2021年5月17日]
カテゴリ AI

ファンタジーの要素を含むミステリーでした。
ファンタジーは苦手なので少しつらいところもありました。

常世島という島を所有している常木王凱の招きによって探偵の青岸が、天使のいる島に他の6人の実業家とともに招かれます。
この物語の世界観では、一人殺しても大丈夫だけれど、二人以上殺すと生きながら焼かれる断末魔の叫びをあげながら、天使によって地獄へと連れて行かれてしまいます。

青岸は過去に探偵事務所の所員4人全員を爆弾による爆破事件によって殺されています。

そして常世島には、もう一人紛れ込んできた記者が一人と使用人たちで11人の人間がいます。

以下ネタバレです。お気をつけください。


まず、常木が殺されます。
そして第二の殺人が同じ犯人によって起きれば地獄行きとなるので起きないであろうと皆、賛同しますが、起きてしまったのです。
4人の人間が殺され2人の人間が地獄の炎に包まれました。
この因果関係は、私には少々難しかったですが、この事件の首謀者の意図はよくわかりました。

だけど青岸がこだわりをみせているこの作品のタイトルである「楽園とは探偵の不在なり」は寝不足で頭がぼんやりしているときに読んだせいかはっきり言ってなんだかよくわかったような、わからないようなでした。よくわからないレビューでごめんなさい。(__)

2021年5月16日

読書状況 読み終わった [2021年5月16日]
カテゴリ 小説

驚愕しました。
まんまと作者の巧みな話術にはまりました。

すごく残酷な犯罪の話だと思っていたらある意味、本当にこの本のタイトル通り「聖母」の話でした。凄い話です。

事件は小児性愛者による犯行とみられる、二件の男児の殺人事件です。
犯人は高校二年生の田中真琴。
描写がグロテスクで少し嫌になりましたが必要な描写でした。
この犯罪の理由は言えません。

それともうひとつは不妊治療をしてい子供を授かった女性、保奈美の話。

読んでみてくださいとしか言えません。
ラスト数ページまでは絶対に赦せない凶悪な犯行ですが、最後にわかります。
その本当の意味が。

2021年5月15日

読書状況 読み終わった [2021年5月15日]
カテゴリ 小説
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