転校生とブラック・ジャック――独在性をめぐるセミナー (岩波現代文庫 学術 238)

著者 :
  • 岩波書店 (2010年5月15日発売)
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本棚登録 : 311
感想 : 20
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今まで読んできた永井さんの著作の中では興奮度が比較的少なかった。それは私が〈私〉よりも倫理や道徳に重きを置いた読書生活を送ってきたせい。結局、どうどうめぐり?と思いつつも緻密にひとつひとつ可能性と不可能性を冷静に議論しつくしていくやりかたがやはり好き。独我論と統覚理論、統覚はカントで馴染みあったが独我論のほうのウィトは正直そんなに読み込んでいるわけではないからこの本でちょっと不明瞭だった部分が見えてきた感じ。
で、この本で散々論じられていることを言葉にできないまでも急激な不安感として幼少時に体験していたことを思い出す。下っ腹が重くなるような、胃に何かが渦巻くような不安感。あれ、解決してないというかあれにとらわれちゃった人は是非永井均を読んでほしい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 哲学/思想
感想投稿日 : 2015年10月14日
読了日 : 2015年10月14日
本棚登録日 : 2015年10月14日

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