巨食症の明けない夜明け (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (1991年1月18日発売)
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本棚登録 : 138
感想 : 16
4

古本屋でタイトルに惹かれて購入。作者の名前も知らない。ただ「巨食症」と書いてあるから食に関する葛藤を描いた小説なのだろうと検討をつけた。
1991年のすばる新人賞作品らしい。ニュースステーションの初代お天気キャスターらしい。

主人公は摂食障害に悩む大学生。
ものが食べられない拒食症でも過食嘔吐を繰り返す過食症でもなく、いわば過食から嘔吐を差し引いたような症状。
ひたすら食べまくって吐かない。だから太る。巨大に食べる。「巨食症」と主人公は自分の病状にしっくりする名前をつける。

それが失恋がきっかけであったり母親との関係のうまくいかなさが根底にあったりと、なかなか教科書的な流れなんだけど、言葉が率直なせいかすごく響いてきた。
私はどちらかと言えば食べたくない人間だから共感には程遠いけど、ただ切実さだけに共感した。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学
感想投稿日 : 2012年10月29日
読了日 : 2012年10月29日
本棚登録日 : 2012年10月29日

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