本棚から猫じゃらし (新潮文庫 む 8-9)

著者 :
  • 新潮社 (1997年2月1日発売)
3.26
  • (5)
  • (14)
  • (51)
  • (1)
  • (2)
本棚登録 : 194
感想 : 17
3

読書エッセイ。割と有名どころの作品を取り上げているので読んでいるもののほうが多かった。群さんは昔っからずっと男っ気ない方なのね。面倒くさいとかなんとか。気持ちはわかる。「叔母梅木久子」は重い話だな。我を通して大多数の人間とは違う道を進んでいても、結局誰かと比べずにはいられない心象がなんとも悲しい。読んでみたい。
一番笑ったのは最後の渡辺一夫『ある老婆の思い出』。
作品の紹介というよりかは群さんの知り合いの方の介護のお話がほとんどなんだけど、介護している方は本当に大変なんだろうけど、ばあさんのとぼけた口調と行動がなんか可笑しい。普段は「ばばあはお腹が減ってないからいらないよ」なんて言ってほとんどものを食べないのに検査で絶食し始めたら腹が減って死にそうだとわめいたり、あげくドロップを頬いっぱいに詰め込んだり。老人って不思議だなー。子どもに返るとはいうけど、やはり年嵩の頑固さや習慣は残るから余計ややこしくて奇妙なんだろうな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2014年11月18日
読了日 : 2014年11月18日
本棚登録日 : 2014年11月18日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする