ケインとアベル 下 (新潮文庫 ア 5-4)

  • 新潮社 (1981年5月27日発売)
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本棚登録 : 1213
感想 : 88
5

とうとう読み終わってしまったわ~~!
こっれは私のお気に入りの本に入る1冊となりました~!
もう、読み終わってあまりの凄さに頭がいっぱいになった。

下巻は、上巻よりも胸にグッとくるシーンがいくつもあり、憎しみと愛情との両極端さが上手く描かれてある。

アベルが生まれた国を訪れ、育ったボロ小屋を訪ね、育ての母親と再会したとき何とも言えない気持ちになった。これは、堪らなく悲しくて胸がいっぱいになるね。

ケインの息子とアベルの娘が恋に落ちたとき、親たちは自分たちの勝手な憎しみのために反対し認めず、その後10年以上も会えない。
そこまでして人を憎む思いって言うのは凄まじすぎるし、きっと多大なエネルギーを使うんだろうな。
でも、それがあったからこそ、お互いがビジネスの上で成功していくパワーになったんだと思う。

結局、ビジネスとしてはケインはアベルに負けたけど、アベルが最後、今までの真相を知ったとき、アベルはケインの寛大さに負けたのだな~。
ケインあってのアベルだったんだ。

最後のほうで、お互いが娘と息子の開店祝いにそっと見に行くとき、二人が会釈してすれ違うとこは、なんとも言えないいろんな感情が湧き上がってきて胸が詰まった。

ケインとアベルは憎しみあい赦しあって、最後はお互いにリスペクトしあって、自分たちの人生を全うしたんだろう。

あ~~、すごいお話でした。
ちょっと感動しすぎて、次の本を読もうと思うまでにしばらくかかりそう。ひきずるな~、これは。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外 その他小説
感想投稿日 : 2014年9月30日
読了日 : 2014年9月29日
本棚登録日 : 2014年9月30日

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