告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

著者 :
  • 双葉社 (2010年4月8日発売)
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5

こ、こ、こ、こわ~~~~~~!!!
ここまで圧倒されたミステリーサスペンスな話を読んだことないっ!
これ、ほんとに、デビュー作ですか?
な、な、なんちゅーー本。すごすぎる。

私は日本の映画は観ないし、とくに、本を映画化したものは絶対に観たくない。
日本でのこの映画に対する評価を知らずに読んだからか、すっごい怖かった。
子供を殺された母親の復讐心、おそろし~~~~。

最初から、ズバッとかましてくれた先生の告白で読んでて
「最初からこんなに衝撃的だったら、後はどんな展開が待ってるんだろう」という好奇心でページをめくった。
もう止まらない。
殺人をしたいけど(結果的に)殺さなかった少年と、殺したくないのに殺してしまった少年。
彼らに復讐する元教師。

いろんな人の告白を読んでて、加害者も被害者に、被害者も加害者になっていく光景が目に浮かび、それぞれ過ちを犯しながら、いろんな経験や思いを背負ってる姿に、ほんのわずかでも頷けるとこがあったのに、
なのに、それなのに、子供の殺された教師の復讐で全てが否定されてしまった。

せっかく、世直しやんちゃ先生が
『すべてを水に流せるという復讐はない。』
『憎しみを憎しみで返してはいけない。それで心が晴れることなど絶対にない』
と死ぬときに言ったのにもかかわらず、なのに、それなのに、
それでも復讐をしようとする母親の狂気。

すさまじい。

もし、自分の子供が教え子に殺されたら、そこまで思うか。。。。

なんか、みんなそれぞれの心が絡み合うことなく空回りしているこの設定。
とっても悲しいし残酷だった。
でも、ここまで書いちゃった著者はすげ~~~~の一言に尽きる。と思う。

うわ~~~、すっごいHeavyな本を読んでしまいました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本 その他小説
感想投稿日 : 2013年3月6日
読了日 : 2013年3月5日
本棚登録日 : 2013年3月6日

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