愚者のエンドロール (角川文庫)

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本棚登録 : 8693
レビュー : 916
著者 :
制作 : 高野 音彦  清水 厚 
mikotoizumiさん 小説   読み終わった 

「氷菓」より続けて。文化祭の前夜祭的位置付けの物語になっていると思います(実際は夏休み中のお話ですが)。今回は、とある事情から未完成になってしまった、文化祭出展の自主制作映画の結末探し。ミステリとしては面白かったと思います。自分も奉太郎と同じ予想だったのでなおさらでした(推理はしてない、只の勘で・笑)。
「結末探し」ということで、結末が決まれば勿論映画は「完成」するわけですが、その「完成」がどの程度の事を指すのかが重要でした。「オチがつけばいい」のか「作品の出来として完成度が高い」ならよいのか、それとも「作り上げた実感があればいい」のか。「完成」というのは人それぞれ。読み間違えれば自分も他人も欺く事になる、というお話です。
今回は奉太郎が「彼なりの完成」を求めた上での敗北のように見えましたが、入須もまた「彼女なりの完成」で敗北を見ています。また奉太郎にとっては「自己の完成」の意味合いも含んでいたりして、「完成」を夢見るのは十代の通過儀礼のようなもので(笑)仕方ないことなのかもしれませんが、そんな彼らの「不完全さ」が読んでいて愛しくなったりしました。

レビュー投稿日
2013年4月28日
読了日
2013年4月28日
本棚登録日
2013年1月8日
2
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