著者から献本いただいた。
江戸期の幕府・藩校の文庫や市井の読書状況・図書共有慣行を中心に、一部を割いて古代・中世の日本の図書館っぽいものについても触れた本。
タイトル通り、江戸期の話は具体的なエピソード・例を盛り込みつつ書かれていて、これは来年度以降、担当授業(図書・図書館史)に反映しようかと思う。幕府の御文庫の話とか退屈だしあんまり触れないでいたんだけど、将軍が何を借りていた、みたいな話があればぐっと学生の親しみも湧くだろうし。
ただ、ときどき出てくる、当時の営みが現代の図書館のサービスにもつながっていますね、みたいな話は余計に感じた。それがないと読者の関心を引き付けられないだろう、という意図によるんだろうけれど、大半は江戸から現代まで日本の図書共有文化の中で引き継がれてきた・・・というよりは、単に図書を共有する営みで普遍的・必然的に発生する慣行である気がする(要検証)。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
図書館・図書館情報学
- 感想投稿日 : 2017年8月14日
- 読了日 : 2017年8月14日
- 本棚登録日 : 2017年8月14日
みんなの感想をみる