かたつむりは紙の本を夢見つづけている

積読消化。
タイトルのとおり、複数の候補から投票で最多得票だったものを選ぶという多数決が、本当に人々の意見をよりよく反映したものを選べるのか、その問題点、どんな条件下でうまく機能するのか、代替案としてはどんなものがあってそれぞれの利点と欠点は、といったテーマを扱う。
副題にあるとおり、この領域を社会的選択論と呼ぶそうで、その入門書になっている。

出てくる例はどれも平易でわかりやすい。
それだけに、多数決の問題点がこんなによくわかっていて、しかもフランス革命の時期からすでに代替案の検討もなされているのに、未だに世の中では多数決が使われてるってのは、いっそ不思議に思えてくる。
また、多数決がよりよい選択を導く前提になる、ルソーの一般意志の前提はよく知らないでいたのでためになった。
2018年最初に読んでよかった本。

2018年1月7日

読書状況 読み終わった [2018年1月7日]
カテゴリ 研究

「引用する」時と「される」ため、それぞれの極意というかノウハウをまとめた本・・・なのかな、今回は「される」の方だけ読了。

んー、自然科学系の引用の一般的な話はあるが、「引用される極意」というほどのネタ的なものはないなあ・・・もっとこう、「タイトルに××を入れよ!」「頭上の余白は敵だ!」みたいな偏った奴が読みたかった。

2018年1月6日

読書状況 読み終わった [2018年1月6日]

様々な知的産業に身を置く「トップランナー」たちから、幼少期~現在の図書館利用経験や、それに限らならい当人の知の技法や今後の知識社会に関しての意見を引き出した、インタビュー本。著者が友達なので以下のレビューはその点を差っ引いて欲しい。

インタビュー本なので、当然、普通はインタビュイー(聞かれた相手)が中心で、インタビュアー(聞き手)はうまく話を引き出しつつも個性は隠される・・・ことが期待されそうなもんなんだけど、この本はそんなことは全然なくて、聞き手の存在が超前面に出てくる。対談とまではいかないんだけれど、聞き手である岡部さんの存在を意識しないページは全くない。
それも、よくある素人の意見を代弁してくれる聞き手とか、理解力はあるけど専門知識はそれほどない聞き手とか、同じ業界に身を置く専門的な聞き手・・・などではなく、興味・関心が広範囲に拡散している上に本人も話したいことがいっぱいある聞き手が、「うわ、今おれ超おもしろい話聞いてる! 超おもしろい話してる!」と思いながらインタビューしてることがよくわかる。テンションの高さが伝わってくるというか、熱と圧が高いんだよ全般に。ときどきインタビュイーより先走って、インタビュイーにすっとかわされているところとかまである。普通のインタビューでこれやったら駄目インタビュアーなので、学生とかはインタビューの参考には全くしない方がいい(事前に相手のことを調べまくっておくところは是非参考にした方がいい。幼少期に使ったであろう図書館を特定した上で事前に取材してる展開とかはドヤ顔が見えてきそうで若干いらっとするけれど、本当に丁寧・真摯・能動的で凄いと思う。著者が知り合いでなければいらっともしないと思う)。

しかしそんなインタビュアーの個性が全く消せてない本であるがために、岡部さんが面白いと思う話を、岡部さんがこれは熱いと思う相手から聞き出して、相乗効果で話が弾んでいることがわかり、岡部晋典という学者の興味・関心の範囲とそのうっすらとしたつながり、岡部図書館情報学の輪郭・範囲のようなものが見えてきている。岡部晋典という人の本領が一番発揮されるのも、当人が面白いと思った相手と話をして盛り上がっているときだと思うので、なるほどインタビュー本という形式は大正解だったんだなあ、と。これが対談本(本人でない第三者が原稿をまとめる)だとたぶん駄目で、まっとうな聞き手・書き手だとうるさいくらいの岡部さんの個性を若干おさえた書きぶりにせざるを得ないはずで、でもそんなもんじゃこのテンションは伝わってこないだろう。

図書館情報学って領域はこんな人物がやりたい放題できる所で、これだけの広い領域と関わり合いになる可能性を持っている分野なんだと若い読者に錯覚してもらえると領域的にも有難いことである(良識派の先生方はキレそうだけど)。
あとなんか、全体に通底する岡部図書館情報学の核というか、行動・主張・研究に一貫する何か、みたいなものはありそうな気もするんだけど、本人じゃない自分には言語化できないので、今後はそんなような本とか論考も期待。

2018年1月6日

読書状況 読み終わった [2018年1月6日]

村上春樹の旅行エッセイはかなり好きで、これも前から読みたいと思っていたもの。Kindle化されていたので購入。両手があかないときに大変重宝する。

2018年1月6日

読書状況 読み終わった [2018年1月6日]
カテゴリ 小説・文学

まだ村上春樹の作品があまりKindleに入ってなかったときに、比較的早い段階でKindle化されていたので買っていた本。なんか紙の本にこだわりがあってのことかと思えば別にそんなことはなく、後にどんどんKindle化されていくのである。

タイトルのとおりの短編小説案内で、紹介されている短編小説たちの多くがKindleでは読めず、現物買いに行くのもなあ、ってことでほとんど紹介されているものを読まないままで読み進めてしまった。
それじゃあんまりよくわからないのは当然で、結局、単に村上春樹の文体を読む、くらいの読み方になっている。
いずれ紹介されているものもちゃんと読もう。

2018年1月6日

読書状況 読み終わった [2018年1月6日]
カテゴリ 小説・文学
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村上のおじさんの読んでなかった本を読むうちの一冊。
とはいえ、表題作「レキシントンの幽霊」は、高校の教科書に載ってたので既読。

・・・既読、なんだけど、高校当時に読むのと、いま読むのでは全然印象も違うし、収録作品の中ではこれが一番くらいに好きかなあ。単に村上春樹の、誰かの暮らし(それも生活に余裕がありそうな暮らし)の描写が好きであるというだけの話かもしれない。

2018年1月6日

読書状況 読み終わった [2018年1月6日]
カテゴリ 小説・文学

研究や共著でしばしばお世話になる岡本健先生の、一部界隈で著名になった「ゾンビ」を研究として扱った本。
メディア学・・・ということになるのか、「(サブカル・コンテンツ等で)好きなものを研究テーマにしたい!」という学生には、ここまでやればできる、という例示に紹介するのにとても良さそう。

2018年1月6日

読書状況 読み終わった [2018年1月6日]
カテゴリ 研究
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各種のインタビュー+29連勝の番勝負記録。けっこう楽しめた

2018年1月6日

読書状況 読み終わった [2018年1月6日]
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将棋に関する読み物を読みたくて、その名手であるという先崎学さんの本にたどりついたという。

2018年1月6日

読書状況 読み終わった [2018年1月6日]
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大崎善生の将棋エッセイを読み進めていくうちに至った本。
いったんここまででいいかな。

2018年1月6日

読書状況 読み終わった [2018年1月6日]

大崎善生の将棋エッセイを読み漁っていたうちの1冊。
『聖の青春』が若くしてなくなった天才プロ棋士の話であるのに対して、こちらは将来を嘱望されて奨励会に入ったものの、プロにまで至れなかった人生を中心に描く。

2018年1月6日

読書状況 読み終わった [2018年1月6日]

タイトルの通り、なんらかの理由で現代文明が崩壊を迎えたとして、そこからどう科学文明を再度立ち上げていくかを、緊急度が高い+高度な技術がいらないもの⇒徐々に高度な技術を要するものへと一つずつ解説していく本。
身近なものでどういう組成になっている/どういう理屈で動いているかわからないものを再認識する機会になって面白い。
Kindleに入っているので、万一世界が崩壊したら(そして自分が存命だったら)最低限、充電+モバイルバッテリーが生きている間に電源のところだけでも読めれば・・・と思うが、そこは紙で買っている人の方が有効だろうな・・・

2018年1月6日

読書状況 読み終わった [2018年1月6日]

他の小説にもたびたび名前の出て来るSF作家、キルゴア・トラウトが主役ということで名高い長編。
カートおじさん直筆の挿絵がガンガン入ってくる、それもおおむね無意味に入ってくるのが最高。
りんごだのえんどう豆だのピラミッドだの肛門だの。
ゆるいテイストで本人も出すぎだろっていう・・・。

2017年8月28日

ネタバレ

札幌南高校の学校司書だった方が、実際に図書館を訪れていた生徒たちの姿を紹介していくという新書。
まさかそんな本が母校から出るとは・・・(時期的に自分は著者の方とは重なっていないか?? 仮に重なっていたとしても図書局には入っていないしなあ)

出て来る生徒たちがみんな「うわ南高に超いそう」って感じで、数名については(前述のとおりで違うとわかっていても)「え、これあいつじゃないよな・・・?」とか思ったりも。いかにも南高生が言いそう・考えてそうな、というか。
読んでると襟を正さねばなあというか、OBとしてこういう皆さんに顔向けできる人間であらねばなあ・・・と思ったりもするんだけど、当の本人は電子書籍万歳&全然心温まらないテーマばかり扱っている不良図書館情報学者なので、ここに出てくる皆さんの図書館に対するイメージは裏切ってしまいそうだ。

しかし、それにしても、あとがきでも触れられてるけど、クラフト・エヴィング商會に自分の本デザインしてもらえるの、いいなあー! もしまかり間違って単著で新書を出せるならちくまプリマーから出したい・・・!

2017年8月28日

筑波系の先生たちを中心に、「図書館情報学」が扱う範囲を初学者向けに紹介していく本。

・・・なのだけれど、幾つかの章は普通に今やっている研究の中で引こうかなっていうようなIntroductionになっているし、どの章も自分がそのトピックに関わるときには役立ちそうだ。

2017年8月26日

読書状況 読み終わった [2017年8月26日]

前から気になってた故・村山聖九段に関するノンフィクション。Kindle化していたので購入。
師匠の森七段とのお話とか、聞いていた以上で凄い・・・。ミーハーだけど将棋にまつわる話はおもしろいなあ、もっと色々読んでみるか。

2017年8月26日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2017年8月26日]

生まれながらの資産家、エリオット・ローズウォーターが、自身の家系の出自である街、ローズウォーターで、ただ人々を平等に愛し、尽くすことを実現していく。

そんなローズウォーターを精神病であることにし、資産を奪おうと策動する弁護士やいとこ、ローズウォーターをなんとか「まとも」にしようという父の米議会議員、ローズウォーターに巻き込まれ心を病んでいく妻・・・

何がSFなのか、まさか「誰もを同じように愛し尽くすこと」がか。かなり好きな話だ。

2017年8月26日

ネタバレ

徳川慶喜が才気走ってるのに、走り過ぎだからこそ、人に信頼されない/嫌われるって展開がえんえん続く。でも本人はさほど不幸せそうじゃないのが救いか?
司馬史観が先か、この慶喜像が先なのかはちょっと気になる。

2017年8月26日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2017年8月26日]
カテゴリ 小説・文学

カートおじさんの本をちゃんと読もうシリーズ第3弾(今まで読んだのはスローターハウス5、猫のゆりかご)。
タイトルから勝手に想像していた内容(スペースオペラっぽい)とはぜんぜん違う、とぼけた感じで示唆に富む話で、ちゃんと読んでよかったと思う。まあかなり今更感があるけれども。

いけすかないやつだなあ、と思っていたラムファードの最後の方のふるまいとか、コンスタントとビアトリクスの最後とか・・・まああんまり言葉連ねるような話でもないか。カートおじさんは優しいね。

2017年8月21日

ネタバレ

秋学期の授業用に読了。「世界大学ランキング」をタイトルに含む別の本とまちがって買ってた・・・orz

タイトル通り、各種存在する世界大学ランキングについての情報を日本語にした上でまとめて掲載してくれている。そこはありがたいんだけれど、あまり文章を書くのに慣れていない方なのか、校正が雑だったのか、「まとめて」というのはどちゃっと載っている、って話であって、目次レベルでは体系化されているように見えつつ、本文は体系だっていない+繰り返しが多い+雑多な情報の羅列が多い+誤字脱字・文法間違いが多い。たまに事実誤認もある。

英語や各原語情報をチェックする手間を省くための参考書、って言う感じのものと捉えれば良さそう。読み物としてはかなり辛い。

2017年8月15日

読書状況 読み終わった [2017年8月15日]
カテゴリ 研究
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積読消化シリーズ。片山善博先生(元鳥取県知事・元総務相)と糸賀先生それぞれの、地方自治×図書館に関する原稿や、対談・パネルディスカッション等をまとめた本。
個々の内容はけっこう既知(もちろん、お二人自身の発信によって)のものも多いのだけれど、まとまって読むと一貫したメッセージをより強く感じる。
また必要になったらちゃんと読むとして、とりあえずどんな話をされてきたかの復習用に。

2017年8月14日

読書状況 読み終わった [2017年8月14日]

著者から献本いただいた。
江戸期の幕府・藩校の文庫や市井の読書状況・図書共有慣行を中心に、一部を割いて古代・中世の日本の図書館っぽいものについても触れた本。
タイトル通り、江戸期の話は具体的なエピソード・例を盛り込みつつ書かれていて、これは来年度以降、担当授業(図書・図書館史)に反映しようかと思う。幕府の御文庫の話とか退屈だしあんまり触れないでいたんだけど、将軍が何を借りていた、みたいな話があればぐっと学生の親しみも湧くだろうし。

ただ、ときどき出てくる、当時の営みが現代の図書館のサービスにもつながっていますね、みたいな話は余計に感じた。それがないと読者の関心を引き付けられないだろう、という意図によるんだろうけれど、大半は江戸から現代まで日本の図書共有文化の中で引き継がれてきた・・・というよりは、単に図書を共有する営みで普遍的・必然的に発生する慣行である気がする(要検証)。

2017年8月14日

読書状況 読み終わった [2017年8月14日]

記憶が確かならかなり以前に一度、読んだことのあったはず・・・の、探偵ネロ・ウルフもので(たぶん)もっとも有名な一冊。
推理もいいんだけどネロ・ウルフのキャラと、料理関係のうんちくが好きで、文字は小さいんだけど読み始めたらするすると言ってしまった。
ネロ・ウルフが出て来る別の話も手を出してみようか・・・でもKindle版がないんだよなあ・・・

2017年8月14日

ネタバレ

円城塔の配偶者、田辺青蛙さんが、円城塔と一緒に行って、しばらく過ごした米国での生活を書いたエッセイ。
SF大会⇒長距離鉄道⇒西海岸での生活、と変わる生活を描いていく。
リレー図書紹介エッセイを読んで買ってみて、さくっと読めたけど、そんなすごい大好きだったかというと、うーん。

2017年7月27日

読書状況 読み終わった [2017年7月27日]
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