一気に読む.史実を基にしつつも,著者が脚色した山岳小説になっているという.そうではあっても,この悲劇が一般に知られることとなったのは,この作品によってであり,記録小説としての価値は十分に認められるべきものであろうし,自分もまたそう思う.
「人間実験」と表現されるこの悲劇は,そもそもなぜやらなければならなくなったのか.日露戦争を見据えて軍首脳部の短絡的な発案と,階級による絶対的な権力構造とが生み出したと言えようか.その組織の脆弱さと責任者の不在(誰も処罰されなかったという)を目の当たりにする.これに参加することを余儀なくされた人々はなんとつらい思いをしたことであろうか.合掌.
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2014年5月24日
- 読了日 : 2014年5月23日
- 本棚登録日 : 2014年5月24日
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