侵蝕 壊される家族の記録 (角川ホラー文庫)

  • KADOKAWA (2016年6月18日発売)
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本棚登録 : 646
感想 : 59
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無味乾燥な改題になっちゃった。でも内容は葉月の化粧同様に濃く、正常な思考を奪われて大切な家族を大切に思えなくなっていく様が恐ろしい。この手の事件は現実起きているし、愚かと笑えない不気味さがある。子どもを亡くした喪失感につけ込まれたら、留美子みたいにならないって保証はないなぁ。
美海の最後の切り札かと予想していた菜の花畑の思い出に隠された真実に唖然。父親最低。まさかのどんでん返しにもびっくりだった。
「加害者でもあり被害者」という言葉がこの上なく重く、人生を狂わされてしまった多くの人を思うとやりきれない思いが胸に沈殿していく。なかなかハードな一冊だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: サスペンス
感想投稿日 : 2016年6月24日
読了日 : 2016年6月24日
本棚登録日 : 2016年6月24日

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