猫は生きている (理論社のカラー版愛蔵本)

著者 :
  • 理論社 (1973年1月1日発売)
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本棚登録 : 134
感想 : 16
5

絵本でありながら、壮絶な絵と内容に衝撃を受けました。
特に焼夷弾の犠牲になった子供を、心が引き裂かれる思いで置き去るところ。
火の海にのまれて逃げ場を失ったため地面を掘って赤ちゃんを入れ、我が子だけでも助けようと乳房を出して自ら蓋となって守ろうとする母親の姿が鮮烈で、母親の立場として心打たれる作品でした。

猫を除いてはなんて救いのない作品だろうと感じたけれど、絶望的な状況の中に一縷の望みを残し、か弱い存在である赤ちゃんに何とか生き抜いて欲しくて、最後まで守り抜こうとした母親の強い思いが救いであったのではないかと思えます。

戦争の悲惨さ、平和な時代に生きている事のありがたさを知るためにも子供にぜひ読んでもらいたいと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年2月20日
読了日 : 2012年2月20日
本棚登録日 : 2012年2月20日

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