「私は、女神よりは、サイボーグになりたい」
2009年公開のアニメ映画『イノセンス』(『攻殻機動隊』シリーズの中の一作)に登場する「ハラウェイ博士」の名前の由来となった「ダナ・ハラウェイ」の有名なフレーズ。
女性の身体に神秘性を見出したり(スピリチュアル・フェミニズム)、女性らしさを礼賛されて女神として崇め奉られるよりは、無機質なサイボーグになりたい。
個人的に身体嫌悪を極めていたころに、共感して、救われたフレーズ。(とはいえ、やっぱり、サイボーグやロボットのような理路整然とした存在にはなれないな、という、諦観や納得につながっていたのですが……)
(北村紗衣さんの論考「フェミニストの私が、魔女になることを諦めた理由」(『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』収録)もおすすめ https://note.com/kankanbou_e/n/n7ec8c1b1f945 )
(ダナ・ハラウェイ研究者である「逆卷しとね」と”現代魔女”の実践者「円香」、「まどかしとね」による2024年発行のZINE『サイボーグ魔女宣言』がオモシロイです。「男らしくない」「女らしくない」「人間らしくない」トランスジェンダー~ノンバイナリーの世界、「人間観」を拡張する実践。エコロジカル・フェミニズムほか、SFやファンタジーに惹かれるなら是非)
SF映画に登場する「理想の女性像」としての「女性型サイボーグ」「女性型ロボット」に興味関心あるひとにおすすめ。
また、「機械化・自動化によって職を失う女性たち」についての指摘あり。(NASAの計算手たちのエピソードについては映画『ドリーム』を)「AIの普及によって人間の仕事が奪われる」という惹句より以前から、女性たちは機械化によって家事労働から解放される、という経験を積み重ねてきたと気付かされます。
- 感想投稿日 : 2024年11月2日
- 読了日 : 2024年8月24日
- 本棚登録日 : 2024年8月24日
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