西崎ワールドが静かに広がる短編集。どれも静謐で、だけど不穏さに満ちていて、何かが始まりそうで始まらなかったり、終わりそうで終わらなかったりする。飛び降り自殺をした娘の鎮魂のために曲を作ってほしいと依頼される作曲家の話「理想的な月の写真」は、ミュージシャンでもある著者の理想的な作曲風景のようにも読めて楽しい。そして最後の最後にぽんと謎が投げかけられて終わり。放り出される感覚がなんかクセになる。
「奴隷」は、初めSFのアンソロジーで読んですごく惹かれた。どこもサイエンスじゃないけどたしかにSF的異世界。リアルで面白い。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2017年9月27日
- 読了日 : 2017年9月27日
- 本棚登録日 : 2017年9月27日
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