現代の(といっても原著は1997年なので少し前)ベルリンと、「忘れられたものたちの国」クワシニアを舞台にしたファンタジー。双子の姉弟ジェシカとオリバーの父は考古学者だが、この世と記憶の国クワシニア両方の征服をたくらむ古代の神クセハーノの野望に気づいたため、こつ然と姿を消したうえに盗みの容疑をかけられる。おそろしいのは、姉弟が父のことをまったくおぼえていなかったこと。どうしてそうなっているのか、父は何をさがしもとめていたのかをたどり、オリバーがクワシニアにのりこむまで。
古代メソポタミア?文明にまで話はさかのぼるけれど、そこに設定をかりて、イマジネーションが自由に広がる。決め手となりそうなのが、敵の真の名を知ることというのが、さまざまなファンタジーとの共通点を感じさせる。洋の東西を問わず、名前の霊性のようなものへの思いってあるんだなあと。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ファンタジー
- 感想投稿日 : 2016年5月20日
- 読了日 : 2016年5月20日
- 本棚登録日 : 2016年5月20日
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