10宅論―10種類の日本人が住む10種類の住宅 (ちくま文庫)

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レビュー : 18
著者 :
長老みさわさん  未設定  読み終わった 

「♪もしも〜 わたしが〜 家を建てたなら〜」小坂明子の「あなた」という曲は戦後というか、70年代以降の日本人の住宅に対するイメージをグダグダにしてしまったA級戦犯の曲だと思う…。恐らくは、色々なメディアを通して熟成しつつあった日本人一般の住宅に対するイメージがこの歌に昇華したのであって、この歌そのものが原因ではないのだけれど、これほどまでに顕在化させたのはやはり戦犯認定じゃないだろうか。この隈研吾氏の「10宅論」は日本人の住生活を10の階層に分類してその志向するところを徹底的に批評したもの。曰く「ワンルームマンション派」「清里ペンション派」「カフェバー派」「ハビタ派」「アーキテクト派」「住宅展示場派」「建売住宅派」「クラブ派」「料亭派」「歴史的家屋派」都市で流浪するモラトリアムから持家まで、全ての住み手と全ての住宅設計者を敵に回したかのような著作で、この本が原因かどうかは定かでないけれど隈さんへの住宅設計の依頼はとても少ないらしい(笑)。10の階層それぞれにカルテを用意して「イデオロギー」「集団を規定するメディア」「参照される建築様式」等などを想定した上で何故このようなデザインを志向するに至ったかを細かく分析。しかし、最終的には10の階層それぞれが同じ原理を共有している事を指摘してしまう。外観だけ西欧のデザインで内部は現代の日本人の生活に合わせた住宅を「(西)洋風建築」と呼ぶのはいいとして、そうでない建物に対して「和風建築」と呼ぶことに強く違和感を覚えていたのだけれど、古い寺社仏閣等が「日本建築」であるのに対して、それ以外で「洋風建築」でも無いものは「和風建築」に他ならないことに強く納得した。建築の専門でなくても楽に読めます。

レビュー投稿日
2010年6月30日
読了日
2010年6月30日
本棚登録日
2010年6月30日
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