いちばん大事なこと ―養老教授の環境論 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社 (2003年11月14日発売)
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感想 : 70
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「バカの壁」などで有名な養老孟司氏が環境問題を通して、なぜ環境問題が大切なのか、多様性の問題などについて語っている本。

環境問題というと、自分はいわゆる環境原理主義的なものをイメージしてしまうが、世間的にはそうでないようで、環境問題は、環境省とか政府とかに任せておけばいい、自分には関係ないものと考える人が多いと著者はいう。
著者は、その点について、
・そもそも環境問題はこのまま行けば人類の滅亡にもつながるのだから、経済とか紛争とかよりももっと大事な政治問題だ
・一般人がそういった考えだから、何気なく自然を壊してしまっているのではないか
・壊された自然による失われた生物多様性は、自然というシステムのなかでなにか重要な役割をなしていたのではないか。そのことにより、回り回って大変なことになるおそれがあるのではないか
と警鐘を鳴らしている。
なるほど、生物多様性の理論については考えさせられることも多く、個人として環境問題の大切さについて思いを深めた。

なお、いつものとおりの口述筆記なのでしかたがないとは思うが、文章としてはいまいちまとまりに欠け、主張のつながりが飛躍したりするのでちょっと読みにくかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 売却済み
感想投稿日 : 2019年9月1日
読了日 : 2017年9月24日
本棚登録日 : 2017年9月27日

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