「バカの壁」などで有名な養老孟司氏が環境問題を通して、なぜ環境問題が大切なのか、多様性の問題などについて語っている本。
環境問題というと、自分はいわゆる環境原理主義的なものをイメージしてしまうが、世間的にはそうでないようで、環境問題は、環境省とか政府とかに任せておけばいい、自分には関係ないものと考える人が多いと著者はいう。
著者は、その点について、
・そもそも環境問題はこのまま行けば人類の滅亡にもつながるのだから、経済とか紛争とかよりももっと大事な政治問題だ
・一般人がそういった考えだから、何気なく自然を壊してしまっているのではないか
・壊された自然による失われた生物多様性は、自然というシステムのなかでなにか重要な役割をなしていたのではないか。そのことにより、回り回って大変なことになるおそれがあるのではないか
と警鐘を鳴らしている。
なるほど、生物多様性の理論については考えさせられることも多く、個人として環境問題の大切さについて思いを深めた。
なお、いつものとおりの口述筆記なのでしかたがないとは思うが、文章としてはいまいちまとまりに欠け、主張のつながりが飛躍したりするのでちょっと読みにくかった。
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- 感想投稿日 : 2019年9月1日
- 読了日 : 2017年9月24日
- 本棚登録日 : 2017年9月27日
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