東大教授が教える独学勉強法 (草思社文庫)

著者 :
  • 草思社 (2017年12月6日発売)
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本棚登録 : 1342
感想 : 94
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本書は「考える力をつける」ための本です
少なくとも私が「独学」と聞いて思い浮かべる「受験や資格取得のための予備校に通わず一人で勉強すること」のための勉強法の本ではありませんでした。

本書では「勉強」には一般的に思い浮かべる
① 受験・資格試験に向けての勉強
② 趣味的な「教養」のための勉強
のほか、
③ 答えのない問いに自分なりの答えを見つける勉強
があって、本書の目的はこの③を身につけること
ということで本書ではそのための「考える力をつける」ためのやり方、見通し、著者の経験などを説明しています

例えば、新しい分野に取りかかり学びを深めるための本の読み方として、
・本の中に正解を見つけない
・入門書・概説書を2段ステップで読む
 最初はざっと読み、理解優先
 次に批判しつつ、疑問を持ちつつ読む
・本の基本コンセプトをつかむ
・マーカーを引くより繰り返し読む
とか、情報収集・資料収集方法、ノート・メモなどについて説明してあります
このあたりの方法は精読にも通じる考え方で参考にはなります
また、「考える力」をつけることは、コンピュータにできない応用力や独創力を磨くのに役立つという意見ももっともだと思います

ただ、それであれば「考える力のつけ方」だけを説明していればいいのであって、ところどころに受験・資格試験向けや教養向けの勉強法をまぜる必要はない
水増しが目的なのか、私のような「勉強法」を求める読者に色目を使いたかったのかはわかりませんが、非常に中途半端に感じました

「考える力をつける」という主眼では悪い本ではないのですが、タイトルから感じたイメージと内容との乖離、私が目的とした内容との乖離から評価を☆2としました
タイトルが適切であったならと思うと残念でなりません

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 売却済み
感想投稿日 : 2019年8月24日
読了日 : 2018年11月3日
本棚登録日 : 2018年9月10日

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