不可能性の時代 (岩波新書)

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本棚登録 : 679
レビュー : 70
著者 :
きりさん 勉強   読み終わった 

同著者『虚構の時代の果て』とセットで読むのがいいと思う。『虚構の時代の果て』でまず筆者の言わんとする「虚構」の概念、枠組みを捉えた上で、「虚構」がどのようにして「不可能」へとすり替わる・移行するのか、その過程に目を向けた本『不可能性の時代』であるという印象。

実例として取り上げられているのが子供時代のわたしにも強く印象に残った(かつ多くの人も覚えているであろう)かつての少年犯罪の数々なので、理解しやすい。時代の変遷に伴い、少年犯罪の加害者の心理、動機が全く反転しているという指摘が面白かった。
「オタク」をめぐる様々な概念についても、オタクの社会の捉え方、他者との関わり方等々、言われてみれば思い当たるようなふしも多いし、自分が感じていたことや違和感を平易に言語化してもらえたようで、頭がすっきりした。

この本が出版されたのはちょうど10年前の2008年。今でも「不可能性の時代」が続いているのか、また別のフェーズに来ているのか、「今」がどんな時代である(あった)かというのはやっぱり10年くらいは待たないと解説できないものなのかな。「振り返る」形でしか社会学は機能しないものなのかと思えば限界を見るようでさみしいし、でもそれもそうだよなとも思う。難しい。

レビュー投稿日
2018年10月3日
読了日
2018年10月1日
本棚登録日
2018年7月28日
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