初見と思いきや、『金色の獣、彼方に向かう』の作者さんだった。風天孔。なるほど。
表題作「夜市」と「風の古道」という短編で作られている一冊。
化け物たちがあらゆるものを売買する「夜市」。
裕司はかつて野球の才能と引き換えに売ってしまった弟を取り戻すために、再び夜市を訪れる。
「思っていたエンディングとは違う」と紹介された通り、確かに展開はクルクル変わっていく。
「風の古道」は、神秘的な力を持つ裏道を辿ってゆく少年たちのお話。なんか、森の隙間から入って抜けてゆく道って、トトロに繋がりそうなアレだな、という雰囲気がいい。
また、そこで現実世界に戻る道筋の案内人を務めてくれるレンの役割も、ちゃんとこの世界観に溶け込んでいる。ただ、コモリが割と謎ホラー。
人間でないものより、人間の方が実は怖いよね、ということなんだろうか。
どちらの話にも、もっとエンディングを求めてしまう自分がいる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
2018年
- 感想投稿日 : 2018年12月29日
- 読了日 : 2018年12月29日
- 本棚登録日 : 2018年12月29日
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