千年、働いてきました―老舗企業大国ニッポン (角川oneテーマ21)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング (2006年11月9日発売)
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感想 : 98
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冒頭、世界最古の会社が日本にあると知り、考えさせられた。

他国の例を引き合いに出しているのだけれど、略奪の歴史に参加することが「遅かった」島国・日本は、歴史を書き換えられる事態に遭遇しなかった。
それは、世界的に見ると僥倖と言えるかもしれない。

そして、日本は匠の在り方、続いていくことの誇りがある。
「不易流行」とでも言えば良いのか。新しいものを目指しながらも、足元を固めていく姿勢が好きだ。

タイトルから想像出来ないくらい読ませる一冊だった。

p98「西洋のヒューマニズムを『人道主義』と訳してきたのは、とんでもない誤訳やと思うんです。ある学者が言うてましたが、あれは『人間中心主義』と訳すべきなんです。つまり、何事も人間を中心に『生きてゆく』という発想。だから、人間と自然との乖離がますます大きくなってきた」

p168「ある条件を入れたら、こういう答えが出ますよというのが、コンピューターだよね。でも、その条件を入れるのは、あくまでも人間でしょ?鋳物の場合、図面を描いてくれたユーザーさんの意図があるんだけど、その意図までコンピューターは読み取ってくれないんだよね。この部分は最後まで絶対残っちゃう。ここは、たぶん永久になくならないと思う」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2017年
感想投稿日 : 2017年7月13日
読了日 : 2017年7月13日
本棚登録日 : 2017年7月13日

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