気になっていた、初野晴。
廃園になった遊園地には不思議な噂があって、ワケありの動物を弔ってくれる青年がいるという。
相手の心を覚り、嘘が嫌いなその青年との問答で進む連作短編集。
「真実が語られる」というギミックが、ありえない世界であっても、現実に持ち込むことが出来る要素になっていて、面白い。
単なる動物愛情物語に終わらせず、動物にまつわる過酷な状況も描かれている。
陳腐な感想だが、人間のエゴを直視させられるしんどさがある。また、ミステリーとしても、とても巧みな作りをしている。
基本的には廃墟の遊園地という、変わった場所が舞台になるのだが、登場人物によって語られるシーンが鮮やかに想像できる。
シリーズ作品にも手を出したくなる、読み応えのある小説だった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
2014年
- 感想投稿日 : 2014年6月28日
- 読了日 : 2014年6月28日
- 本棚登録日 : 2014年6月28日
みんなの感想をみる