田辺聖子の古典まんだら(上) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2013年8月28日発売)
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本棚登録 : 207
感想 : 14
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大学の教授が田辺聖子のことを、聖子ちゃんと読んでいて、それからずっと私の中では聖子ちゃん、である。

古典文学入門を謳った本は多く存在する。
様々な作品を取り上げて、あらすじを紹介していくわけだが、後はもう筆者の目の付け所と自分の感性が一致するかどうかだと思う。

聖子ちゃんは、そういう意味では目の付け所の紹介の仕方が非常に上手い。
あらすじも、ただ述べるわけではなく、そこで惹き付けられる魅力がある。さすが。

彼女のおちくぼを読んだことがあるが、原典への愛溢れる描き方に好感が持てる。

そうして、大方の一般的な知識量に合わせた解説を挟んでくれている所も良い。

こういう、形だけでない入門書があれば、後は手に取る人次第で古典はもっともっと輝き続けるのではないかと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2013年
感想投稿日 : 2013年10月14日
読了日 : 2013年10月14日
本棚登録日 : 2013年10月14日

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