「カンガルー通信」が読みたくて、購入。
独特の比喩が、分かるようで分からん!
ブラームスとマーラーを間違えて買ったことを、レシートもなく一週間後に気付いた女性は、果たしてこのテープをどのように聴くだろう。
いや、その前に、聴くのだろうか。
そもそも、送られているのだろうか。
村上春樹を読むと、無性に自分の文章に傍点を打ちたくなる。
ただ、目的の「カンガルー通信」は思っていた話ではなかったんだけど、「中国行きのスロウ・ボート」に自分を重ねてしまった。
私も、アジア系の女の子にどの地下鉄に乗ればいいか聞かれ、反対方向に向かう電車に乗せてしまったことがあった。
その「グロテスクで意味のない間違い」は、確実に私の心に残っている。
お互いに、何の悪気がなくとも、本当にふとしたボタンのかけ違いのような何かが積み重なって、気付けばハッキリとした間違いを描くことがある。
こうすれば良かったとか、こういうことだったんじゃないかとか、自分なりに反省をするんだけど、あの時のしまった感は、彼女を大きく傷つけ、「あの人はわざとそうしたのではないか」という答えに導かれたのではないかという、しまったのような気がする。
他のどの話も、やっぱり分かるような分からないような展開が待っていて、面白い。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
2018年
- 感想投稿日 : 2018年10月14日
- 読了日 : 2018年10月14日
- 本棚登録日 : 2018年10月14日
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