嘘と正典

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本棚登録 : 119
レビュー : 12
著者 :
mitsukiさん 2019年   読み終わった 

『ゲームの王国』に魅了され、この連休で絶対読むぞ!と決めていた小川哲。

オビに「『歴史』と『時間』についての作品集」とあり、最近、時間についての本ばっかり読んでるなぁー、引かれてんのかな、と独り言。

ストーリーはややベタだけど、時間や定理、文化や思考といったテーマの提起の仕方が面白くて、読みながら考えている一冊だった。
以下、抜粋して感想。



「魔術師」
マジシャンの父を持つ姉弟の話。
それが、マジックであろうと、本物の魔法であろうと、彼を父として見つめる姉弟の目を忘れてはいけない。

「時の扉」
王と語り部という構成が面白い。
自分にとって都合の悪い過去、痛みを伴う過去を「抹消」することが出来たなら。
「男は最後に『解釈』を変えてしまいました」

脳が認識する機能を改変することで、時間と空間は消滅し、有限なる永遠が訪れる。
ふと、認知症における時間や空間認識って、どういうものなのだろうと考えた。
忘れてしまうことの怖さを聞いたことがあるけど、自分を作り上げてきた時間の感覚が消失することの恐怖って、想像を絶してしまう。

「嘘と正典」
エンゲルスって、あのエンゲルス?
と思いながら、章が変わると唐突にCIAとKGBの話に変わり、何なんだ?と思っていたらの、オチ。
時間を遡ることが出来たら、という方法にまつわる面白さはあるけど、結末が……。
多分、この感想を読んだだけでピースを当てはめられる人はいると思う。
でも、何度も言うけど、テーマは面白い(笑)

他に「ひとすじの光」、「ムジカ・ムンダーナ」、「最後の不良」。

レビュー投稿日
2019年9月23日
読了日
2019年9月23日
本棚登録日
2019年9月23日
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