ヴァニティとは「虚栄心」。
短編集なのだが、登場する彼女達は必ずといっていいほど年齢を申告する。
女性にとってのそれは、名前の次に大切な証なのかもしれない。
仕事に生きながらも、まるでそれが本望ではなかったような。年齢を振り返りながら、未来を予想しながらの恋に囚われているような。
時に、彼女達は供託し、それは容易く裏切りに変化する。
そんな灰色の想いが詰め込まれているように感じた。
本の作りが雑誌的で、中身も女性好みに仕上がっている。
これを手軽に鞄の中に、と言われるとちょっと心は引いてしまうものの…こういう部分に凝っているとつい嬉しくなる。
せっかくなら文庫になる前に、ぜひこの形で読んでいただきたい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
2011年
- 感想投稿日 : 2011年11月23日
- 読了日 : 2011年11月23日
- 本棚登録日 : 2011年11月23日
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